
プラモデルを作るのがが下手になったわけでも、集中力が落ちたわけでもなく、じつは「見えていない」ということ。その事実に気づかないまま「なーんか最近しんどい」と感じているあなた。私もそのひとりでした。もともと左右の視力差が大きいところに「いいほうの目」が早くも老眼の兆しを見せ始めてちょっとショック(視力が良いほど老眼が早く来るって言うしね!)。PCとプラモのパーツとスマホと説明書でそれぞれ近視用眼鏡と裸眼と拡大鏡を使い分けてスマートにやっているつもりでしたが、やっぱりそれがどうしても煩わしい。
nippperで追いかけてきたオートフォーカスアイウェア、ViXionシリーズはその問題を「可変式の液体レンズ」で解決するかなり未来的なアイテムです。外部センサーが対象までの距離を測定し、その情報に基づいて液体レンズの厚みを変化させることで焦点距離を動的に制御する仕組みによって、ピント合わせという行為を機械に補助させるシロモノ。視力検査も処方も不要で、目の状態が変わればユーザー自身が再調整すれば使い続けられるというところも素晴らしいポイントです。電源は内蔵の充電式バッテリーで、USB-Cによる約3時間の充電で約15時間の連続使用が可能です。

今回発売されるViXion2は、その長所をさらに伸ばした新モデルです。初代モデルの時点で仕組み自体はすでに完成していのですが、模型用途という観点では正直に言って惜しい部分もありました。レンズ直径が5.8mmと視野が限られていたため、近い距離で細かい作業を続けるには顔と目を固定する必要があり、ガチで作る人ほど「確かに機能するが、常用するには厳しい」というスペックだったのです。
ViXion2で最初に体感として分かる変化は、その視野の広さ。レンズの直径が9mmになったことで視野面積は従来比で約2.4倍に拡大しています。実際に使用するとわかりますが、これだけ視野が広いとある程度目線を動かすこともできます。さらに近いところに合わせてレンズ間の距離を狭めに調整してもちょっと離れたところまで見通せるようになりました。作業空間全体を把握できるだけの視野はかけてすぐに実感できるもので、かくいう私も思わず「あ、これは実用段階に入りましたね」と口に出してしまいました。

視野の拡大は、プラモデル以外の日常生活にも途切れなく繋がる快適さに直結しています。いちいちメガネのかけ外しをしたり、大きく姿勢を変えたりしなくても、とにかくシームレスに「見える」という状態が続くのは驚くほど快適なことです(そしてViXion2をかけると自分がいかに不自由な視界のなかで暮らしていたのかを痛感することになります)。これまでのViXionシリーズに対するユーザーのリアクションとして視野を理由に敬遠する人が多数派だったのが、ViXion2ではその声が大幅に減ったという話も納得できます。

センサー性能やピント合わせのアルゴリズムも進化しています。測距の最短距離は約5cmまで対応しており、極端に手元へ寄せた状態でもピントはしっかりとパーツに食いついてくれます。この距離で作業を続けると、肉眼では確実に目に負担がかかりますがが、ViXion2ではデバイス側がピント合わせを補助し続けてくれるため、疲労感が明らかに違います。
さらに今回私が大注目しているのがViXion2 Proの存在です。こちらはこれまでViXionを愛用してきた歯科·医科、獣医療、製造業といった専門職に従事するユーザーの声を反映し、チルト機構を搭載したのが大きな特徴。ViXionのピント制御は、眉間に位置するセンサーの延長線上にある対象に焦点を合わせる仕組みであるため、下を向きがちな手元作業では視線とセンサー軸がズレやすいという難点がありました。しかしViXion2 Proはレンズユニットが下方に最大30度まで傾くため、頭を下に向けなくても視線だけを落として手元にフォーカスできます。この機構は長時間模型を作る人間にとっても大きなメリットがあるはずです。

レンズ以外の部分についてもこまかな改良ポイントはたくさん。従来機よりも重心位置が後方に移動し、ツルの形状はもちろん、鼻当ての形状も調整されています。首や鼻への負担を減らし、かけ続けていても違和感のないバランスはViXion2およびViXion2 Proを常用したくなるポイントのひとつと言っていいでしょう。

価格は決して安くありません。ViXion2は税込み11万円と、模型用ツールとして見れば高額な部類に入ります。しかしこれはメガネのような視力補正具ではなく、視覚という身体機能を拡張するデバイス(しかもカスタマイズできる!)ですから、長く使い続けられること、模型以外のあらゆるインドア趣味において有用であることに価値があります。この製品はスペック表を眺めてもなかなかその真価がわかりません。実際にかけて、手元を見て、外した瞬間に「やっぱかけていたいな……」と思えるかどうか。その体験がすべてだと思います。家電量販店をはじめ、実際に試着できるスポットはたくさん用意されています。みなさんもぜひ体感して、このすばらしいアイテムの有効性に心打たれてください。
・ViXion2製品ページ
https://vixion.jp/vixion2
・公式オンラインストア
https://vixionstore.myshopify.com/