

みなさん、手榴弾を手で放り投げる兵隊は映画なんかで見たことありますよね。では、その手榴弾を強力にしたものを数百~千メートル離れた場所に狙って放り込めて、しかも軽くて壊れにくくて少人数で扱える武器があったら、けっこう便利そうだと思いませんか? そうなんですよ、それが迫撃砲なんですよ……!
というわけで、榴弾(空中などで爆発し、弾の破片で敵を攻撃する砲弾)など各種の砲弾を狙ったところに上から落とせる迫撃砲は、現在に至るまで歩兵の強い味方です。普通なら大口径の榴弾を撃とうと思えば大砲が必要ですが、なんせ大砲はデカくて重くて運びにくくて、おまけに専門のスタッフもたくさん必要。

しかし「筒に二脚と照準器がついてるだけ」という迫撃砲なら、軽いから少ない人数で簡単に運べるし、サッと置いたらすぐ撃てるし、そのくせ弾は大砲並みにデカいから威力も十分だし、大砲よりずっと安くて操作も簡単! こんな便利な兵器はそりゃいろんな国が使うよねってことで、現在のような形の迫撃砲が現れた第一次大戦以降、この武器は歩兵にとって身近な重火器であり続けています。

というわけで、第二次世界大戦中のドイツでもたくさん使われていた迫撃砲と、その運用チームを再現したのが、「ドイツ歩兵迫撃砲チームセット」です。歩兵が銃を撃ったりしているところではなく、迫撃砲を撃っているところのフィギュアというのはけっこうシブいチョイスだと思うんですが、このキットの発売は1995年。第二次AFVブーム期の商品です。そう思うと、ちょっと大人なシチュエーションの選択にも納得ですね。



箱の中にはランナーが2枚。片方がフィギュアで片方が装備品という、タミヤのフィギュアキットではおなじみの配分です。で、肝心の迫撃砲なんですが、これがなんか思ったよりこじんまりとしたランナーに収まっています「え? なんかちっちゃくない?」と思っちゃうところなんですが、それは逆にそれだけコンパクトで運びやすく、なおかつ強力な武装だったということの裏返しなのです。



このキットで一番盛り上がるのが、やはり迫撃砲の組み立て。細い部品が3点で接地するという構造なので、ずれたりひしゃげたりしないように部品を固定して組み立てるための治具がフィギュア側のランナーについております。これを使って組み立てれば、誰でも簡単に指定通りの形に組み立てられるというわけ。トンチだな~! この迫撃砲はドイツ軍が使っていた「8㎝迫撃砲 34型」というものなんですが、二脚周りが妙に繊細だったり台座の形が凝ってたりして(迫撃砲の台座、国によってはゴミ箱の蓋みたいなのもあります)そのへんはいかにもドイツという感じ。迫撃砲にもお国柄ってあるんですねえ。




フィギュアの皆さんはこんな感じ。90年代のフィギュアということで、ポーズの派手さ・分かりやすさと彫刻の精密さの釣り合いが取れており、演技もほどほどにクドくて見栄えがする上にベルトや装備品の彫刻もシャープという、惚れ惚れするような内容になっております。う~ん、今見ても全員イケてますね……!

全員組み合わせると、グッと絵になりますねえ。シチュエーションとしても分かりやすく、もうこれをそのまま塗って地面に並べたらすぐジオラマになる雰囲気。「組んで塗って並べたら臨場感のある情景ができる」という、タミヤMMらしい組み合わせのフィギュアセットです。迫撃砲というどこがかっこいいのかパッと見ではよくわからない兵器が、フィギュアと組み合わせることで魅力的なシチュエーションに早変わりする様子は是非とも味わっていただきたい面白さ。「やったことないけど、ちょっとジオラマとか作ってみたいな~」という人には、特にオススメのキットです!
