今年の夏に再生産がかかり、お久しぶりに店頭に並んだタミヤミリタリーミニチュア(以下MM)のレジェンドプラモ「アメリカ陸軍 M21 モーターキャリヤー」。M3ハーフトラックのシャシーを利用したバリエーションモデルで、モーターとは箱絵にも描かれている「迫撃砲」のことを指しています。モーターキャリヤーは迫撃砲を搭載して、リヤデッキからも砲撃ができる便利な車両なのです。
特徴的なモーターキャリヤー用のリヤデッキは、砲弾ラックや通信機でぎっしりしていてめちゃくちゃカッコ良くなります。迫撃砲をぶっ放そうとしている3人は「アメリカ歩兵 機関銃チームセット」に入っているメンバーがコンバートされています。
アメリカン迫撃砲アニキの中でも、耳を塞ぐ兵隊はあまりに演技が秀逸すぎて多くの模型ファンから愛されています。めっちゃうるさいんだろうな! ってこれだけで分かりますもんね。そんなものを車内のリヤデッキからぶっ放すのですから、ドライバーも覚悟が必要です。
箱絵ではモーターキャリヤー内にいるために描かれていませんが、こんなにも魅力的なドライバーがこのプラモには入っています。彼が耳を塞いでいるだけで、情景の「音」の要素がより色濃く出ます。たった1本の腕ですが、そのパーツが信じられないくらいドラマを引き立てる……フィギュアプラモのポーズやパーツの楽しさ、大切さをこのドライバーから教わりました。おしまい。
1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)