空母のプラモを作りたいよー/作り方は箱を開けた時のフィーリングで。

 キャラクターモデル一本槍のプラモデル人生だったために、どの艦船も全部戦艦だと思っていました。そんな僕でも、可愛いなーと『アズールレーン』(擬人化された実在艦船がキャラクターになっているゲーム)をプレイしていたら船の種類や特徴をなんとなく知ることが出来ました。ゲームとは偉大なものです。

 そこから元艦船にも興味をもって調べていくと、空母の姿が心に刺さったのです。

 とくに赤城と加賀。滑走路はまるで屋根のように覆いかぶさり、さながらショッピングモールのよう。どうやら空母ではない船を改造して作られたためにこのような形になったとのこと。何よりその構造に興味を持ち、空母のプラモを作りたいと思ったのでした。

 赤城や加賀は有名艦船なのか様々なスケールとボリュームのキットがありましたが、今回のモチベーションは「空母のプラモを作って形を知りたい」こと。そのため、形になるまでの時間が短そうなプラッツの「1/2000 ミニフリートセレクション 赤城×加賀」をチョイス。
 家に帰り早速箱を開けてみます。プラモデルで最も楽しい瞬間です。開けてみると艦船モデルらしい横長な箱のサイズに反してランナーが梱包された小さい袋が2つ(Amazonでは現在「蒼龍×飛龍」しか取り扱いがない模様……)。

 てっきり「艦船モデルは船体のパーツが長いから箱も細長くなっているものだ」と思っていましたが、このキットの船体はなんと縦に封入。きっと箱絵を大きく、映えさせるためでもあるのでしょう。

 箱の中のランナーの佇まいを見て思い出したのは、バンダイの『スターウォーズ』アイテム、ビークルモデルシリーズ。ビークルモデルシリーズは小サイズながら細かいディテールで、ウェザリングカラーをビシャっと塗りたくるだけでも濃厚に味わえる傑作。ビークルモデルも小サイズのランナーだったので、とりあえず同じ方法でやってみれば形になるのでは?ととりあえず荒い方針で製作をGOします。

 全てが初めての船のプラモデル。何もかもが新鮮でした。

 まず驚いたのはメイン船体パーツの抜き。1パーツで左右の窓や甲板上のディテールがきっちり。ダンクーガにおけるビッグモスのような、これだけで本体と言っていいぐらいの存在感。窓となる点のくぼみが多くありウェザリングもちょうど良さそう。

 どうしても一体化していては金型から抜けない構造部分と、光が透けるほど薄くて小さな艦載機たちだけ、ランナーに配置されています。そのぶん、プラモデルを組み立てるという作業は思ったより少ないものでした。

 艦船モデル特徴の細かさも味わえつつストレスにならない量ではあるのですが、手を動かしていない分、当初の目的だった構造の認識には至っていないのが正直なところ。

 やはり、ビークルモデルと同じくウェザリングカラー塗り塗りが必要なのです。所謂ウォッシングのように全体を染め、過剰な部分だけ拭っていく。小サイズゆえによく見てみるとエッジが甘くフワっとした印象。それを全体を黒で締めることでエッジよりも起伏に目が行くようになる。深く落ちた影色は、数センチのプラスチックではなく縮小された模型であることを補強してくれます。

 艦載機が乗る上面の飛行甲板は塗装済みの1パーツ。空母らしさを象徴する”顔”。そのままでも十分かっこいいパーツですが、船の向きと並行に走る何本ものラインが墨入れを望んでいます。ここにその塗料を流してごらんなさい、と。筆を這わせれば塗料は飛行甲板を駆け抜ける。船体のウォッシングとは全く異なる体験を提供してくれるのは、空母の特権かもしれません。

 そんな異なる面を見せた船体と甲板を組み合わせると、そこに空母が完成します。大きなパーツは少ないのに、組み合わさった瞬間に幾重にも重なったような景色を見せてくれる。ガンプラで言えば五体を繋げて机に立たせた瞬間でしょうか。それが工程の一番最後に来るのは気持ちがいい。

 空母を作りたいという願いは満たされました。きっとちゃんとした艦船モデルの作り方を自分に求めてしまうと、ハードルも上がってしまって作ってみたいという気持ちを満たせなかったと思います。

 プラモデルは箱を開ける時が感情のピーク。その時のフィーリングを大事にして気持ちの赴くままに作ってもいいのではないでしょうか。

ぬのむー
ぬのむー

SDガンダム七人の超将軍世代の雑食モデラー。
ガンダムとジャニーズ大好きメンサ会員。RealSoundTech等でライターしてます。