開けて驚くプラモの色/ビタミンカラーの流れ星

 ビタミンカラーという言葉がありますけど、アレにハマると身の回りのものを黄色やオレンジで揃えたくなります。黄色と黒の自転車を買ったのが起点になって黄色いものをやたらと身につけたり、オレンジの自転車を買ったのが起点になってオレンジのバッグや照明を買い揃えたり……。どっこい、ビタミンカラーの模型というのはロボットモデルでも無い限りそう多くはありません。黄色い成型色はF1やカーモデルで見たことがあるかな、という感じで、まさかの軍用機にオレンジのプラスチックが奢られていると「わーお」と思いませんか。

 たまたま手にしたフジミの試製流星。けっこう古いプラモなので、いまは手に入れるのが難しいかも。このオレンジの機体は、「爆弾も落とせるし魚雷も投げられる艦上爆撃機と艦上攻撃機を統合して戦闘機並みに空戦も強い飛行機を作ってちょ」という海軍の要求に応えるべく作られた飛行機……の、プロトタイプです。試作機、試験機はオレンジ色に塗られているのだという話のめっちゃ詳しいところはモデルグラフィックスの最新号に書いてあるから読みましょう。面白いぞ。

 みかんのようなオレンジで、パーツ表面の彫刻は凸。しかしグレーのプラスチックでは出ない艶がいい感じです。パーツ分割はかなりオーソドックスで少なめだけど、脚収納庫は開閉選択できるところがGOOD。「必要十分」という言葉がよく似合う、飛行機模型のお手本みたいな仕様ですね。

 「機体表面がオレンジなんだから、オレンジにしておこう」という気持ちがそのまま機体の内部にも侵入。パイロットがいればみかん星人と相成って、それはそれで楽しかろう……と思ったのですがあいにく不在でした。とはいえ、コクピットや計器盤までビタミンカラーだと、なかなか愉快。気になるところだけ塗装すれば、オレンジ色の機体が手に入るというのがうれしい。

 パーツの合いは牧歌的な感じで、ビシッと合わせ目を消そうとするとなかなか骨の折れそうな雰囲気。とはいえ、主翼と胴体の合わせがパシッと決まれば飛行機模型はサマになります。ゼロ戦や英米独の小柄な戦闘機に馴染んでいるとぎょっとするほど長い胴体ですが、きれいな流線型はまるで流星の残像のようにシャープ。逆ガル翼のセクシーさも相まって、このままイェーガーマイスターのデカールでも貼ろうもんなら、そのままエアレースでデビューできそうな佇まいです。流星のスタイルが気になった人は、ハセガワから1/48モデルが発売がおすすめ。これをオレンジに塗る、なんて遊びも楽しいと思いますよ!

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からぱた

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』http://wivern.exblog.jp の中の人。