世界最小のトム・クルーズを召喚するためにジオラマを作る。

 『トップガン・マーヴェリック』はいつ公開されるのだろうか。待ちきれない。助けてくれ。そして私は「小さい艦載機のプラモがあるよ!」というフリにオチをつけなければいけない。点と点が繋がり、脳内にひとつの景色が見えてきた。モノのサイズ感がいちばんわかりやすくなるのは人間との比較。小さい模型は台座を付けておけばボリュームが増して存在感を獲得する。さあ、合体だ……。カモン、トム・クルーズ。

 おもむろにトムキャットを黒く塗る。パーツの透けを防ぎ、なんか重い塊っぽくなる。あと上から塗る色がなかなか発色しなくなるので、ムラを作りたかったりコントラストの強い塗装をしたかったりするときに便利だ。覚えておこう。黒く塗ったらヴァイブスの赴くままに白い塗料でパネルラインをなぞっておく。真っ白にならんでもよい。とりあえず黒じゃなくなっているくらいにスジスジを描いておけば良い。

 その上からグレーの塗料をめっちゃ薄めて様子を見ながら重ねていく。白く描いたラインが塗料を透かして浮き出てきているのがわかるだろうか。リアルっぽい〜。「らしさ」が大事です。

 ここでキャノピー(コクピットの窓)を塗るのがめんどくさいな〜と思うが、めんどくさがっていると飛行機に見えないので根性で筆塗りする。説明書のイラストを見ながら窓枠も描く。コツはないです。強いて言うならタミヤのモデリングブラシPRO II(小)を使いましょう。私は心が折れそうなときもこの筆に助けられ続けているので。

 おもむろに台座を塗ります。このイケている台座はGSIクレオスのもので、カタチも高さもニスの調子も良いし、なにより安い。天面にグレーの塗料を塗って、マスキングテープを使いながら幅3mmくらいの白線を入れた。空母の甲板はもっといろいろなディテールに満ちあふれているので、やりたい人はプラ板を貼ってから工作するのもいいかもね〜。まあこの白線も「らしさ」です。

 あと四角い台座のときはモノを斜めに置いたほうが頭が良さそうに見えます。対角線と平行線を避けると良さげです。

 人間です。1/350の人間のプラモがある世界っていいよね……。こちらもタミヤの艦船模型用で、ひとつ買うと144人も入っている。ポーズは6種類。ここから好きな奴をピックアップして塗ることにします。頭と足のところにワクとくっついている場所(ゲート)があるので、頭だけ切って足のほうはクリップでつまめるように残しておくと塗りやすいぞ!

 フライトスーツ風の男(一応トムなのでサングラス着用)、飛行甲板の男×2(役割ごとにそれぞれ色が決まっています。黄色いのは飛行機の誘導や着発艦に関わる作業をする人。赤いのは武装関係の担当者)が爆誕。小さすぎますが、なんとなく上半身と下半身と顔と靴を塗り分けると人間らしさが出ます。大事なのは「らしさ」です。らしさ。

 できましたね。どこからどう見ても空母甲板にいるトムキャットと甲板作業員、そしてトム・クルーズです。エンタープライズからは以上です。みなさんも1/350で情景を作りましょう。わりとイケます。

<a href="/author/kalapattar/">からぱた</a>
からぱた

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』http://wivern.exblog.jp の中の人。