やたら目につくあの子やプラモは俺のことを見ていたのか

 「向こうが自分のことを見てる」というのは自分が相手を先に見てるからで、それに気づいた相手がこっちを見ているだけ……という話をたまに聞きます。その前には「向こうが俺のことを見てるから、俺のこと好きなんじゃないかと思った」なんて話がくっつくのがお約束。モテる、モテないは気になるが、イマイチ本気になれない男の話ですね。

 普段はぜんぜん接点もないのに、ホームルームだなんだってクラス一堂が席に座っていると、なぜか離れた席から「クリスチはどうなの?」と話題を振ってきたり、互いが違う生存圏なのに急に「ねぇーえー」と(ごくたまに)話しかけてくる女の子がいました。私の高校は私服だったのですが、そのせいもあり、制服風の服を着る生徒や、男子に関しては毎日スーツでくるのもいたりして自由でした。

 なんとなく、服装で部族分けがされているような感じがあったりとか、なんかそういうのもあり、私は毎日私服組。だって制服着たくなくて、おしゃれしたくてこの学校に来たのだから。

 私は、その子のことを少しかわいいなと思ってましたが、今振り返っても私の高校は素敵な女の子が多かったと思うくらいなので、かわいい子はたくさんいて「かわいいな」ってたまに見る程度。でも、私が見てるから向こうが、いやでもグループが違うから接点なんてないしなぁ、なんて思いながら「話す機会があれば結構面白くいけそうなんだよな」とは思ってました。私は今も昔も話すのが好き。向こうもきっと話すのが好き。

 ただ、「私は話したい人と話す」というのが私とあの子の違いでした。その子はそういうところはないように見えました。あの子誰にでも話す人で、私は大勢の1人で、なおかつ私としてはよくわからないタイミングで話しかけられる。

 ICMの1/32の飛行機に携わる人々はなんというか、そういう少しわからない存在だと思ってました。ミリタリーミニチュアのような1/35よりも一回り大きく、それでいて飛行機の関係者。そんな大きな飛行機を作ることもないので縁がないような、でもプラモデル売り場で見る明るめの色調の箱絵が本当にきれいでいつも気になる存在。

 わからない、けど気になる。

 プラモデルは人間関係と違い一方的な趣味でもあるし、私も良い大人なので試しに一箱買ってみましたが、そのランナーの整然とした姿といったらもう。そして、リアル過ぎない原型のバランスは「え、お前最高じゃん」と思わず笑う美しさ。こんなにも途中の姿に惚れるフィギュアもそうそうありません。

 勇気を出して話しかけるように好きなプラモデルを買うのは実はとっても楽しい。ドキドキしながらいつもと違う電車に乗ったり、違う道を通るような良さがあります。いつも買おうと思って買わないプラモデルは、きっとあなたを見ていますよ。

クリスチ
クリスチ

1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。