机の上がエンタープライズ。極小サイズのプラモデルでズラリ並べろ艦載機!

 実売360円(税抜)でジェット機が10個。1機36円という驚異の値段で我が家に歴戦の勇者たちが集結してしまった。35年くらい前のプラモなのでそのラインナップはちょい渋だが、とにかく安くていっぱい入っているプラモというのがめっちゃおもしろい。もともとは空母のプラモにくっついているパーツなのだが、甲板の上にズラーッと飛行機を並べたい人のために追加パックとして単品販売するよ〜という趣旨で売られている。その証拠にどう見ても飛行機模型なのに「1/350 艦船シリーズ No.6」という商品名なんだな。ハコには書かれていないんだけど。

 ハコのベロにはエンタープライズ。 世界初の原子力空母でありアメリカの威信。これに飛行機をわんさか(70機〜)乗せて世界の海に睨みを効かせているわけです。なんというかそういうめちゃくちゃ壮大なお話が漫画の単行本くらいのサイズにギュギュギューっと縮んでパッケージングされているのがいいですね。

▲ハコの中にはランナーが2枚。説明書もペラっとしたものが入っています。

 これはF-14Aトムキャットですね。もうなんというか出来上がる寸前、まもなく発艦という趣でパーツになっております。コクピットの窓(キャノピー)までグレーなので飛行機のフォルムがまるっと伝わってきます。胴体と主翼が一体で成形されているのに左上に主翼のパーツが見えるのは、着発艦のときにギュイーンと主翼が開いた状態になるのを切った貼ったで再現しましょうね、という心配り。工作的にはややめんどくさいですが、こういう演出をすることでいままさに作戦行動中の空母なんじゃよ〜という模型が作れるようになっているわけですな。

 これはS-3Aバイキングという対潜哨戒機。空母と言えどいきなり潜水艦に魚雷を撃たれたらおしまいですから、こういう飛行機を周囲に飛ばして敵がいないか警戒するわけですね。胴体の下がぼっこり空洞になっているのはプラスチックが冷えるときに収縮して飛行機のカタチがへんてこなことになってしまう現象を防ぐため。地べたに置いたらこの穴は見えません。そして説明書には「この穴にオモリを詰めてね」と書いてある。詰めないと尻もちを着いてしまうんですね〜。小さいのに手間のかかる子たちです。

 パーツ数はひとつにつき4〜6個。「組みごたえがない」なんて言いっこなし。かっこいい飛行機がちょいちょいとパーツを貼るだけで手に入るという意味で、これも間違いなく「飛行機プラモ」なのです。小さくたってさすがはタミヤ製品。機体の特徴をビシッと表現しながら、翼のエッジはシャープですし、よく見るとパネルラインの彫刻もカチッと入っています。

 3分でホーネットが完成!黒く塗って『エリア88』の神崎ごっこをするもよし、1/12のフィギュアにもたせてラジコン大好きなキャラクターにするもよし、自分の好きな塗料のテストピースにしても、ゴリゴリに飛行機模型として仕上げてもOKなのです。なにしろ5種類の飛行機模型を買ってきてズラッと並べて大きさやカタチの違いを眺めるなんてのはけっこう時間がかかるもんですが、このセットなら普段とはちょっと違う距離感で飛行機模型を味わうことができます。

 すごくプリミティブな内容ながら、「ああ、プラモってサイズ次第でこんなに機能が変わるもんか!」と新鮮な気持ちになれるタミヤのアメリカ海軍 艦載機セット。ピッと作ってチョンと置いて、たまにズラッと並べてうっとりする。流し込み接着剤があればかならず組めますから、一度は開けて「うへーっ!」と声を出してみてください。

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からぱた

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』http://wivern.exblog.jp の中の人。