「ハンマーを持つと全てが釘に見える」とはよく言ったもので、カメラなんかも一度外で写真を撮り出すと街中のいろいろなものがドラマチックに見えます。車なんかは特にそうで、どこでも走ってるものだから少し興味を持つと「あれはマツダのロードスター」「ベンツだ」「トヨタのスプリンタートレノが家のそばに止まってた」なんて今まで見ていなかった見えていたものが見えてきます。何にでも興味を持つと目に映る世界は変わるようです。
私がプラモデルを作る中で面白いなと思うのは「接着」なのですが、接着剤にもいろいろあります。あと、一度でも接着剤の必要なプラモデルを作ると、それまでの人生で何かを接着した回数を優に超えてくるのも面白いなと思います。プラモデル作成の数十回に及ぶ接着作業で私は初めて「接着」を知ったのかもしれません。
先日Hellerの1/72 Bf108 タイフーンが素晴らしいキットだということを知り作りましたが、脚と翼の接着点が小さくて少し難しい。タミヤセメントなどの接着剤だと位置を決めるのが難しく、逆さにして置いても両脚はV字に開いていくし、反対に机の上にポンっと置いとくとボディの重さに負けて開いてしまう。浮かせるしかないかと木を使って浮かせようとしましたが、そこで一旦ストップ。
「試しに……」と思い、瞬間接着剤でくっ付けるとあっという間にカチッと固まりました。今まで「瞬間接着剤はエッチングパーツやダイキャストシャーシを着けるために使うもの」という素材視点の考え方しかありませんでしたが、固まり方の特性もしっかりあるんですね。……って「瞬間」なので当たり前なのですが。
プラモデルを作っていると、どうにもこういうことを見逃しがちです。だからこそ”発見”したときに楽しいのですが、きっとこういったプラモデルを通じた道具への気づきって沢山あるんだろうなって思います。ニッパーだって複数種揃えれば切るのが楽しくなるかもしれません。筆も、最初はずいぶんと苦手にしてましたが相性の良い丸筆に出会ってからはなんてことはなくなりました。
完成をどこに置くのかというのはさまざまですが、途中にある発見が楽しい。プラモデルはそういうところもあるんだなと惚れ直しました。気になるものは作ってみましょう。
1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。