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デカイ飛行機は場所を取るからかっこいい/VALOM 1/72 Handley Page H.P.54を作る

 VALOM 1/72 Handley Page H.P.54 を手に取る理由のひとつは、飛行機模型ならではの飾る空間の贅沢さにあると思った。機体を支える車輪は驚くほど小さいのに、翼は堂々と広がる。そのアンバランスさが、棚に置いたとき独特の存在感として立ち上がるからだ。
 そうした観点で見ると、このプラモデルは「サイズの魅力」というただ一点で十分に作る価値がある。1/72スケールでここまで大きく、それでいて造形自体はシンプルな外観の機体となると、意外と見つからないのだ。

 組み始めるとプラモデルとしてはなかなか手強い部類で、思わず「難しいなこれ」と独り言が何度か漏れた。パーツ同士がはまりそうで、はまらない場面がいくつかあり、特に驚いたのは主翼を固定するための桁だった。どう調整しても胴体に収まらず、結局中央で切断して削り込み、押し込んでようやく形になった……と思いきや、今度は主翼側に収まらない。
 桁なしでの接着は固定が不安だったので、代わりにアルミ線を仕込み直したところ、これが思いのほかうまくいった。加工しやすく、主翼の取り付け角度を調整するのも容易だった。

 説明書には気づいたら取り付け済み扱いになっているパーツがときどき出てくる。そのせいで何度も見返しながら組んでいくことになったが、ゆっくり形を追っていくうちに、少しずつ全体像が見えてくる感覚があった。
 接着に関しては、レジンキャスト製のエンジンや、極細のパーツを組み合わせてフレームを作る主脚の構造といった部分もあるので、瞬間接着剤の用意を強くおすすめしたい。主脚は丁寧に組めばきちんと強度が出るので、通常のプラモデル用接着材でもつけられなくはないが、要所要所の接着を一度で決めるためにも使った方がいいだろう。

 精巧なスケールモデルとして仕上げようとすると確かに手強いだろうが、形にするだけなら必ず辿り着ける。切って貼ってようやく形になっただけの姿でも、H.P.54の巨大さには思わず目を奪われる。単純な構造なのもいい。棚には効率的にいろいろなものが収納されているのに、H.P.54があるところだけ急にスケールモデルのための贅沢な空間になる。そのギャップはこういう飛行機じゃないと生み出すことはできないのだ。

クリスチのプロフィール

クリスチ

1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。

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