
「凄いものが作れるに違いない」
青島文化教材社の1/700雪風の甲板パーツに彫り込まれた鎖のディテールを見てそう思いました。鉛筆の先とほとんど同じ太さに、極小のけれども間違いなく鎖とわかるディテールが彫り込まれていたからです。

この甲板の先だけでみてもわかるように、この雪風は小さなパーツであってもさらに小さく繊細なディテールが、美しさを感じるほど規則正しく並んでいます。きっと組み上がった後は、歪みなく精密な小物を手にした時と同じ満足感を得られる、甲板のパーツを手に取ったときそんな直感がありました。

自分が初めて艦船模型を作るというのもあって、実際に組み立てる工程ではひとつ苦労がありました。指で挟んだら潰してしまいそうな小さくて繊細なパーツがたくさんあり、これまでで一番ピンセットが活躍しました。接着剤も、流し込む速乾の接着剤の登場以降、使う頻度が少なくなった昔ながらの粘度が高めの接着剤(タミヤの白蓋)が大活躍。パーツをピンセットでつまみ、蓋裏の刷毛からほんの少量の接着剤を移して接着する別のパーツに置く。パーツは小さいけれど、落ち着いて丁寧に作業すれば問題なくかたちになりました。

雪風は艦船の中でも比較的小さな駆逐艦という船なので、1/700の艦船プラモデルとしても小柄。全体の大きさがイメージできる甲板パーツを使って、その大きさを身近な物と比較すると、完成してもRollbahnの手帳ぐらいだとわかります。そんな持ち運びする手帳サイズのパーツへ、「なんですかこれは?」と思うようなこまかいパーツをひとつずつ接着していくと、徐々にディテールの密度が高い塊がうまれ、艦船のシルエットが出来上がっていくのが面白い。

折り紙を想像してもらうと分かりやすいように、同じ物を作るのでも小さく作るのは難しいものです。正確に手を動かすには練習が必要なのもあるけど、材料の厚みや形の正確さといった精度が低いと、作れるのにキレイな形にならないなんてこともある。だからこんなに小さく精密な物を誰でも作れるように製品化するって本当にすごいし、きれいにできると満足度が高いのです。

最初は塗装せずに成形色のまま仕上げても良いと思っていましたが、最近筆塗りが面白いのもあり目立つ所だけ塗ることに。もともとの出来が素晴らしいプラモデルだから、雰囲気を重視した部分塗装でも大満足です。