上を向いて撃とう〜「タミヤ 1/48 IV号対空戦車 メーベルワーゲン」

▲陸戦の王者、戦車の手ごわい敵って何でしょう?

 戦車にとっては、地雷とか対戦車砲とか対戦車ライフルも手ごわいのですが、普通の戦車では反撃も回避も難しい敵が「航空機」です。航空機の脅威は第二次世界大戦中に急速に大きくなり、この天敵に対抗するために戦車側も対空戦車や対空自走砲で対抗しました。ドイツには、いくつか対空用の戦車や自走砲があります。対空戦車として開発されたものはなく、既存の戦車の車体がベースとなりました。ドイツ戦車の中でもたくさん生産されたIV号戦車をベースにしたものの1つが、この「メーベルワーゲン」です。

▲主兵装は3.7 cm FlaK 43という対空「機関砲」です

 第二次大戦のドイツでは37mmという口径(銃弾の直径)は、広く使われており、例えば海軍の戦艦ビスマルクにも37mm対空砲が装備されています。

▲フライホーク 1/700 ドイツ戦艦ビスマルク、これにも37mm対空砲が装備されています。どこに37mm砲が装備されているかわかりますか?
▲これですね。これは連装ですし、今回紹介するメーベルワーゲンの対空砲とはちょっと違うタイプですが、同じ37mm砲です。戦艦ってどんなに大きいかもわかります

 このメーベルワーゲンの対空機関砲は、元々は単発式の対空砲だったのを連射できるように改良したものです。ものすごく大雑把に分類をすると「連射」が出来るのが「機関砲」、一発づつ発射するのが「砲」です。ではキットの中身を見ていきましょう。

 メーベルワーゲンと普通のIV号戦車では大きく車体上部が大きく異なるのもあって、新規パーツになっています。普通のIV号戦車ではダイキャ ストシャーシだったのですが、このメーベルワーゲンでは通常のプラスチックになっています。という事は、シャーシと他のパーツの接着は瞬間接着剤ではなく、プラ用の流し込み接着剤でホイホイと接着できます。

▲流し込み接着剤があればサクサク組み立てられます
▲ベルト式ではなく連結式の履帯ですが、上部の履帯は位置が決まるように最初から曲がっています
▲一枚づつ接着するのはほんの少しで、片側10分くらいで組みあがります
▲排気管の奥まった部分にもモールドがあります
▲組み立てているとおや? と思ったのがここです
▲この18と19のパーツってあまり見たことない形状ですよね、ゲートが二か所あるような? なんだこれは? と思って説明書を見ると大納得! まずはランナー側のゲートを切ります。そして差し込む
▲不要部分に狙いを定めて〜切る! これなら小さいパーツを飛ばして床を「見つからねー!」とか「〇〇!」とかの呪詛を吐きつつ這いずり回らなくて済みます。艦船模型のリールとか通風塔とかもこの方式になってほしいです(切望)
▲このメーベルワーゲンは対空用途だけではなく、水平射撃にも使われていたので、選択して組み立てる事ができます。対空射撃状態は固定になりますが移動状態と水平射撃状態は後で組み変える事ができます
▲車体上部は普通のIV号戦車とまるっきり違いますね
▲そしてメーベルワーゲンのキモ、対空機銃。 複雑そうに見えますが、実はパーツ点数は比較的少ないのです。スライド金型で銃口も開いています
▲完成するとこの密度感!

 秀逸なのが、この上を向いたフィギュア。もちろんメーベルワーゲンの機銃の射撃は一人ではできないですし、射撃状態のフィギュアもないのですが、この上空を見ているフィギュアを一緒に並べる事で、より時間的、空間的に楽しめます。陸戦の王者戦車が常に空に怯える様子に思いをはせる事ができます。空の脅威に立ち向かうメーベルワーゲンをぜひその手で組んでみてください。

▲そしてお約束、普通のIV号戦車と並べてみましょう。こうやって違う部分を自分の見たい角度で見るのもプラモの楽しみの一つです
まいど!
まいど!

艦船・航空機・AFV・自動車・キャラクターなどジャンル問わず楽しんでます。モデルアート社各誌でも活動中。