内藤あんもの「棚からひとつかみ」/士の字になってやっとお酒のアテになる、そんな時もあります。

▲組みあがるとシュっとしてるんですよね。

 この時期になると街中を自動車教習所の教習車をよく見かけますよねー。いや、ウチは近所に教習所があるので年中見かけるんですけど。卒業決めた高校生とか春休みが長い大学生が緊張した顔でハンドル握ってる姿を見るとガンバレーって応援したくなりますハイ。

 なんの話かというと今回ひとつかみしたのが「練習機」なんですね。飛行機飛ばすのはモチロンめっちゃ大変で、いきなり旅客機や戦闘機を飛ばせるわけではないのでまずは様々な種類の練習機があるわけです。比較的シンプルで操縦しやすい初等練習機から初めて実際に飛ばす予定でもあるような機体の練習機型まで、しかも国によっても自国生産の機体も多くあるので実は練習機ってのはめっちゃ種類があるんですよ。高等練習機とかになると性能もケタ違いによくなるので軍用なんかだとロケット弾とか機銃積んで軽攻撃機になってたりするのもあったりして奥が深い……。

▲SIPA?アラド??
▲フランス軍とドイツ軍のマークがあるんですが…

 さて、キット紹介です。メーカーはRS MODEL(RSモデル)。毎度おなじみ模型大国チェコからやってきたキットです。このメーカーは1/72の飛行機模型を中心にラインナップを揃えていまして、大手と被らないマニアックな機体選択が多く試作機や計画機なんかも出しており、どれを選ぼうかワクワクしちゃうメーカーですね。日本機も結構出していて東欧なんかの日本機人気がちょこっと垣間見えるやつ。ハセガワが輸入代理しているので店頭でもよく見かけるよね。

 選んだ機体は第二次大戦中にドイツ軍が設計したアラドAr.396という練習機。設計にはフランスとチェコの航空会社も協力しており、大戦末期に完成したもんだからむしろフランス軍が採用してSIPA S.10という名前で戦後量産して使っていたという機体です。だから塗装パターンはフランス軍のほうが多かったり。

▲ナナニイ(1/72スケール)の標準的なパーツ構成。

 比較的安価なアルミ製金型で量産されたキットにはダボもパーツ番号も振り分けられていないストイック志向。まあそもそもこの機体なんかは資料がほとんど出てなこないので、軽くググってSIPA S.10の画像を見つけてくるぐらいの知識で作るんだ!

▲パッと見はイケる気がするね!

 実はこの機体、戦時設計という事で金属部品を減らして木製部品が他用された機体。なので機体後半は大変ツルっとしておる。練習機っぽい直列複座のコクピット横なんかは金属パーツらしく繊細なリベット表現がされてたりしてちょっとワクワクします。スジボリもヨレとか埋まってたりするところがないからね!サクサクとやれるんじゃないかなって!

▲サクサクというのは夢でした。

 普段はパーツ見たりランナー構成見たりしてニコニコしながらお酒飲めるんですが、こいつは想像以上の難物。組みあがってやっと一息つきながら強いお酒で気持ちを作る必要がありましたよ……。組み立ての詳細に関しては趣旨とは違うので書き出しませんが、まあ、気合あれば一日でこのカタチまで持ってこれるかなあと…。主翼の上面パーツと下面パーツの長さが違ってて胴体と合わないとか主脚の構造がさっぱりわからないとかコクピットの中は簡素も簡素だとかね!……書いちゃったよ!ディテールがシャキっとしてるから組みあがったという話かもしれぬ。

 別にこのメーカーのキットが全部そうだとは言わないし、作るの大変だからやめときなって話ではなく、飛行機模型に対しては特に知識も技術もない不詳内藤あんもでもこのカタチにはなるし、なにしろ大手メーカーがこのマニアックな練習機をキット化するとは思えない。資料もよっぽど漁らないと出てこないんだったらアウトラインがしっかりしたこのプラモデルを作り、SIPA S.10とはこういう機体なのねーにこにこってするのが模型人としての楽しみ方でもあると思うのです。海外製簡易インジェクションキットを作る練習にしてみるのはアリかもですぞー。練習機だけにね!(オチがつきました)

内藤あんも
内藤あんも

1977年生まれ。戦車道とスピットファイア道を行き来する模型戦士。生まれ育ちは美濃の国、今はナニワ帝国の片隅でプラモデルを作る日々でございます。