
生乾きオーバーコート。なんだそれ。アジカンのアルバムタイトルっぽい。ということでワタシがある日偶然発見して「これ、なかなか応用が効くんでねーか」と思っているテクをご紹介します。被検体はハセガワのコルドバ。どんなキットなのかはこの記事を読んでちょーだい。

これはその昔作ったタミヤの1/48 F-14Aトムキャット。すごいプラモだよ。で、この機体表面の汚れを表現しようとして当時発見したのが「生乾きオーバーコート」であります。

まずコルドバの表面に好みの色のウェザリングカラーを塗りたくります。今回は青みがかったグレーに仕上げたかったので、ブルーとブラックを混ぜて薄め液でシャバシャバにしたものをグレーのプラスチックの上に直接塗りました。
そのままだといくらなんでも色が濃いので、キムワイプとか綿棒とかでっかい筆で表面をゾシゾシ拭いたり叩いたりします。ムラがあるほうが人為的な雰囲気がしなくて良い。いろんな表情を楽しみましょう。

ウェザリングカラーは乾燥するのが遅く、さらに薄め液を含ませた筆やらティッシュやらを使えば無限に表情を変えられます。で、乾くとつや消しになってくれるのですが生乾きの状態でトップコート(クリアーのスプレー)を用意します。これはラッカー系でも水性でもイイんですが、今回はプレミアムトップコート(水性)のつや消しを用意。ラッカーだと下の層に塗られた塗料まで溶かすチカラがあるので結果が変わります。各自試してみてちょ。

で、生乾きのウェザリングカラーの上からドバーッとトップコートを吹きます。どれくらい吹くかと言うと「表面がビッチョビチョになるくらい」です。上の写真見るとテッカテカのテロテロになっているのがわかるね。
で、このまま放置。我が家ではホコリが塗膜にくっついたりするのが嫌なのと、乾燥を早めるために浴室乾燥機を運転した状態の風呂場に放置しています(風呂場は家の中でもっともホコリが少ない空間なのだ)。

乾燥した状態がこちら。ビチョビチョのクリアーの層の中でウェザリングカラーの粒子が泳いで、乾燥する過程で表面張力とかいろいろな見えないチカラが働くことで「なんか自分で描くことはできないなこれ」という感じの汚れが完成します(とくにパネルラインの近くに汚れがびゃーっと寄っていくのがすごい)。今回は水性トップコートを使ったのであんまり泳ぎませんでしたが、ラッカーだと結果がより顕著に出ます。これホント。
この謎テク、うまくいくかどうかはじつは運だったりするのですが、たまには偶然に任せて汚れを演出してみるというのもアリです。そうそう、クリアーコートしておけば上の写真のように真っ黒な凹みとか黄色、赤の部分塗装もやり直しが効くようになりますので、そういう意味でも「作業が一段落したら一回クリアーコートしておく」というのは大事っすね。そんじゃまた!