ここのところ超絶ヒコーキ写真集『未踏のエンベロープ』を毎日のように眺めては「クハーッ!」「カッケーッ!」と叫んでいるnippperチーム。あのキットはああだ、このキットはこうだと自衛隊機のプラモについて喋っていたら、フミテシから「そうだ、ホビーボスのT-4ってどうなんすか?」といきなり衝撃の質問が。何を隠そう、ワタクシからぱたはそんなキットが存在することを知りませんでした。2ミリ秒後の我が家の様子が上の写真であります。
ブルーインパルスの機体として超有名なT-4ですが、1/72スケールではハセガワしかプラモにしていないと信じ込んでいたのでまさかの中国メーカーが製品化しているという事実に驚き。そしてセカンド驚きが「パッケージがブルーインパルスじゃなくてグレーの塗装(通常の練習機としての姿)」であること!
T-4ってじつはすごく難しい(プラモにしづらい)形状の飛行機なんですよね。どこもかしこも複雑な曲面の突き合わせで構成されていて、ハセガワのをキレイに組むのもなれていない人にとっては案外たいへんです。ホビーボスのキットはパーツの量が抑えめでスパスパと組めそうな構成になっているのが好印象。
nippperでは何度も書いていますが、飛行機模型って着陸脚を格納した飛行状態で組むとものすごいスピードで完成するんですよね。タイヤ、脚柱、脚扉の複雑な塗り分けと組み立てをすっ飛ばすことができる上に、飛行機本来の性能を発揮している「空を飛んでいる姿」に仕上がるのが素敵。地上姿勢ファンも多いですが、どんな飛行機も飛んでいる状態で作る人もたくさんいます。
このキットのすごい特徴(人によっては欠点!?)が、「ブルーインパルス仕様にしたければ自分で塗れ!」というハードコアな仕様。一応ブルーインパルス用の色指定もデカールも入っているのですが、肝心の青い模様は自分でなんとかする必要があります。
ブルーインパルス仕様を作りたければやっぱりハセガワ、ということになりそうですが、それにしてもグレーのT-4を作りたければホビーボスのキットはパーツ数や「飛行状態で組める」という内容でビシーッと差別化を図っています。飛行機作ってみたいぞ〜というアナタ、まずはこのキットを組み立てて(塗装はしなくてもいいから)デカールだけ貼ってみる、というのもいいかもしれませんよ。成型色グレーだし。じゃあね。
模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。