自分のオシャレとプラモのオシャレ。/「タミヤ キャンパスフレンズセットII」

 昔から洋服を買うのが得意じゃないからぱたです。最近になってようやく「これとこれを組み合わせて着るのはなんだか変な感じがする」とか、「この靴、パッと見は好きなルックだけど、合わせられる服のバリエーションが乏しすぎるね」みたいなことに気付けるようになりました。でも「いまのトレンドはこんな感じだよね」という服を、何パターンかの順列組み合わせを想定しながら買える友達を見ると「すごいなぁ」と素直に感心してしまいます。

 そんな私にブスリと突き刺さって、組み立てたままそっと部屋の隅に並べているプラモがあります。その名も「タミヤ 1/24 キャンパスフレンズセットII」。タミヤといえばミリタリー、という自分みたいな人間にとって、「なんてことない日常を謳歌している大学生のプラモ」というのはとても新鮮に写るし、素直に楽しそうだなと思える見た目がとてもキュートです。

 笑顔で自撮りに興じる女子、ギターケース片手に颯爽と歩く男子、そして所在なさそうな眼差しでスクーターに腰掛ける女子……。どれも魅力的な造形で、あっと驚く分割と精密さは組んでいるだけでもビリビリと痺れるような感覚が指先から伝わってくるかの如し。

 説明書を眺めていて「これは難しいな」と思ったのが、その塗装です。このプラモにおしゃれをさせて息を吹き込むには、ペールオレンジ(昔の絵の具で言う「肌色」)一色のフィギュアを自分で好きな色に塗るほかありません。

 説明書の図中には塗装指示があり、「Aの色とBの色を1:3で混ぜよ」となかなか難しいことを言い渡されます。そのまま塗ればパッケージに描かれたイラストのコーディネートを再現できるのかもしれませんが、これはオレのプラモ。オレの感性とオレのテクニックで、オレの作品を作りたいなと思うのが人情というもの。

 幸い、プラモは再販される限り何度でも買い求められる商品です。彼らの個性あふれる表情に励まされながら、自分の服装をアップデートすると同時に、いつかこのプラモを「うん、なかなかオシャレじゃない」と自画自賛できる塗装で仕上げられれば、それは自分とこのプラモにとってwin-winの関係なんじゃないかな、と思うのです。

<em><a href="/author/kalapattar/">からぱた<br></a></em><a rel="noreferrer noopener" href="https://twitter.com/kalapattar" target="_blank">@kalapattar</a>
からぱた
@kalapattar

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』http://wivern.exblog.jp の中の人。