

人間は時に、乗ったこともない、見たこともないモチーフのプラモデルを完成させます。私にとって、amtの1967年式マスタングがそれです。ボディには気に入った色を吹き、内装はネット画像検索でピンと来た、黒い革張りコーディネートを参考に塗ってみました。
あとはボディをシャーシに被せるだけでいよいよ完成。しかし、こうやって内装まで色を塗ってみると、「実際にこんな車に乗ってみたいな」という思いが強く沸いてくるもんですね。しかし、そんな気持ちさえ模型に出来るかもと思って、もうちょっと手を加えることにしたのです。

こちら、服やアクセサリーの「シワ」のプラモデルとでもいうべき素晴らしい造形の逸品。プラスチックであるものの、触るとへこんでしまうかのような彫刻。布や革などの素材ごとに質感表現が違っており、実感たっぷりな点が最大の見どころといえるでしょう。そしてこれに色を塗ることで、さらにその質感をブーストさせてみたいと思います。

私が使ったのはファレホという水道水で薄められる塗料です。代替品としてはクレオスの水性ホビーカラーやシタデルカラーなどでも良いでしょうし、スプレーが吹ける人は白い缶のサーフェイサーを吹いた方が楽かなと思います。

凹んだところに塗料が溜まるように塗りたくって陰影を強調する塗装方法を採用します。ギターケースの塗装には、シタデルカラー コントラストの「GORE-GRUNTA FUR」という色を使いました。簡単に陰影のあるオレンジ系の革の色になって、かなり面白いです。

ちょっと陰影が大げさかなという気がしますが、実際に肉眼で見ると存在感があって、これはこれでなかなか良いと思います。


車といえば思い出すのが、社会人ニ年目の時にちょっと頑張って買った初めての車のこと。マスタングみたいなクラシックカーではなく、ごく普通の大衆車でしたし、今は手放してしまったのですが、バンド活動でメンバーと機材を乗せてライブやら練習やらに奔走したり、彼女を乗せてドライブ(という名の送迎)に繰り出したり、夜中にコンビニまでビールを買いにすっ飛ばしたり、色々な思い出がありました。
キャンパスフレンズセットⅡに付属のギターケースやカバンなんかは、ちょっとだけ自分の思い出と重なる部分があったので、小物だけでもと思って車に乗せてみたのです。若い頃、何かの間違いでこんなにおしゃれなマスタングにでも乗れていたら、それもまた違う楽しい思い出になったのかもしれないなと、存在しなかった青春に思いを馳せたのでした。