初めての戦車模型に「組み立てる感触」を再確認する

 初めて戦車を組み立てた。タミヤの「1/48アメリカ M1A2エイブラムス戦車」だ。戦闘機や車、ガンプラなどを組み立ててきたが、戦車だけ今まで遠ざけてきたのには理由がないわけでもない。空飛ぶ飛行機や道路を走る車と比べて、道無き道を走る戦車というのは、無骨で土に汚れている。その姿はなんとなく牛や象、もしくは虫のような感じもする。要するに綺麗で、洗練されたかっこよさみたいなものが戦車には感じられない、と思っていたわけだ。

 ただ、戦車はプラモデルの中でも大きな一つのジャンル。「戦車は一度も作ったことはありません」なんていうのはショートケーキのイチゴだけ除けて食べているようなものなのかなと思い、急ぎヨドバシに赴いた。

タミヤ 1/48 ミリタリーミニチュアシリーズ No.92 アメリカ軍 M1A2 エイブラムス戦車 プラモデル 32592

タミヤ 1/48 ミリタリーミニチュアシリーズ No.92 アメリカ軍 M1A2 エイブラムス戦車 プラモデル 32592

1,636円(10/26 03:48時点)
Amazon

 16個作らならければいけない転輪。貼る順番が決まっている履帯。そのほか細々とした、私の知識では何に使うのかわからない装備たちを貼り付けていく。これが辛いのではない。とても楽しいのだ。

 初めて流し込み接着剤を使った時のことを覚えているだろうか?パーツを合わせて、刷毛でスッと触れるとピタッと合うその感触。私は、初めて流し込み接着剤を使った時、とにかく何でもかんでも接着してみたい欲求に襲われた。

 戦車はパーツの多さの割には塗り分けは細かくなく、飛行機のコクピットや車のエンジンや内装のように先に塗装をしておかないといけないところもそんなにない。とにかくひたすらパーツを切り出して貼り付けていく。細やかなパーツを流し込み接着剤で貼り付けていくたびにじんわりとした満足感があらわれてくる。

 接着剤のいらないスナップフィットのプラモデルはパチンとパーツが合わさる爽快感があるが、それとは違う、後からだんだんくる快楽が接着剤の必要なプラモデルにはある。同じ組み立てる遊びでも、立体パズルやペーパークラフト、粘土や彫刻などとは全く違う、「組み立てる感触」。そんな感触がプラモデルにはあるのだと改めて感じる。

 そして、戦車のプラモデルは多種多様なパーツを貼り付けていくことで、その感触をお腹いっぱい味わうことのできるホールケーキのようなプラモデルだったんだと気づいた。

 出来上がった戦車を見ているとこの後は何をしようか妄想が膨らむ。汚してもいいしジオラマに挑戦してみようか。兵隊のフィギュアなんかも欲しくなってくる。洗練されたかっこよさがないなんてことはない。実際に手元にあるその戦車からはごちゃごちゃした中にも多面体の造形のかっこよさがある。なぜ戦車のプラモデルが一大ジャンルを築いているのか少しわかってきた気がした私は、もうすでに戦車にハマりそうになっていた。

もとぴ<br><a href=
もとぴ
@motomotopi

東京在住。世界を理解するための糸口としてプラモデルを制作中。趣味の記録や思索のためにnoteも書いています。