カーモデルは完成に近づけば近づくほど緊張感も増し、ミスが許されない状態が続きます。形が出来上がった後の細かなパーツの取り付け、ラリーカーならさらに幾重にも張り巡らされたデカールをかいくぐり到達するゴールは格別ですが、やっぱり難しいです。今まで15個くらいカーモデルを作った気がしますが、納得のいく仕上がりは数個。
その中でも完璧だなと思えるのは1個……。とはいうもののこの1個、とびきりの思い入れからそれ以降はラリーカーを作らなくなるほどの満足感があったのです。

私が作ったのはBEEMAXのVOLVO240マカオギアウィナー。「空飛ぶレンガ」という素晴らしすぎる異名に違わぬ四角いボディをはじめ、そこかしこが角張った雰囲気が最高の一台です。車に1mmも興味のなかった学生時代に、縁があって唯一はっきりとどこの国のメーカーか認識していたのがVOLVO。プラモデルを始めたからにはこれを作らずには終われないと思い、ラリーカーを3つほど作ったのちにチャレンジしたキットでした。

今振り返っても、なぜ失敗しなかったのかがわからないフロントバンパーのPIRELLIマーク。段差に沿うようにドライヤーで綺麗に定着させました。

後ろ側のライトも綺麗に塗り分けています。これもまたなぜか上手くいっています。「失敗してなるものか!」という気合いと、特別な思いがあるがゆえの冷静さでしょうか。

本当にミスがないというか、自分なりにうまく作れているので今でもたまに箱から出してはニッコリします。そして壊れるといけないのですぐに仕舞ってしまうという……。まだプラモデルを作ったことがない人も、作り始めたばかりの人も「これを作らずには終われない!」という思い入れのあるものはぜひ作ってください。間違いなく楽しいです。