
図鑑みたいなタイプの本で概要だけ知って、知識としてだけは頭の隅に残っていてある日突然模型店で「ええ、この飛行機プラモあったの!」みたいな出会い方をするキットというのがある。今回紹介するK-97Lは自分にとってそんな存在。
爆撃機B-29は飛行機として高性能だったので様々な派生型が開発されるんだけれど、速度を求められない空中給油型KC-97は胴体が子持ちシシャモのように膨らませた愛嬌さえ感じるスタイル。自分はこのカタチが好きで、30年くらい前にも空中空輸型と旅客機型のミニクラフト社のキットを2機程作っている。で、今回はキットの存在さえ知らなかったKC-97シリーズの最終型であるL型を見つけて、思わず手に取ってしまったんだよね。まだ現役だったんだねこの金型… …。

何せ古いキットだから今の基準で言う精密さには全然足りないんだけど、特徴的な下に膨れた胴体の形だけで「図鑑に載っていたまさにアレじゃん!」という感情がスパークする。珍しいモチーフをキットとして、商売として市場に乗せようと思ったこのモチーフについて好きな人がいるんだね!ありがとう!みたいな…

翼は主翼も尾翼も上下貼り合わせなんだけれど、位置決めピンはズレているので潔ぎよく切り飛ばして貼ってしまいたい。輪郭は合うので。まだまだ何とかなるよ、このくらい。

まるで何から何までユーザー側でなんとかさせられる建付けの悪いキットかというとそうでもない。主翼の勘合はかなり練り込まれたもので、胴体横の穴から差し込むと左右の主翼が、内部で噛みあい、上反角(正面から見た時、翼端が斜め上に向かって維持される角度)がばっちり決まる。

接着剤が乾く前にたわんでしまったり、完成後にかかるテンションで歪んでいったりしない構造になっているのだ。これならいわゆる「士の字」にするのが容易で、飛行機としての芯通った作りやすさを提供してくれる。基本構造の建付け自体はいいんだよね。

足回りや、給油プローブのランナーは他より幾分シャキッとした印象。

そしてこのキットの、このL型の特徴といえるのが4発レシプロエンジン機に「増速のために追加装備されたジェットエンジン」だ。このランナーだけ後から追加されたのか彫刻も部品の合いも段違いに今風なカッチリさを感じる。

組み付けてみればプロペラが並ぶ主翼の端っこに唐突にジェットエンジンが下がっているストレンジな姿が拝める。空中給油機として開発されたけれど、給油する相手の戦闘機がジェット化してゆっくり飛ぶことができないので、ジェットエンジンを追加して無理くり加速することでジェット戦闘機に給油できる速さで飛べるようにする…というイタチごっこのなれの果て。やぁ、人類って面白いよな!

そういうズッコケ話とセットで本に紹介されているのを「読んだことがある。覚えちゃってた。」だけの知識でも店頭で出会うと「わぁ、俺知ってる、俺が買わなきゃ!」みたいな揺さぶられ方をしちゃう。別に地元に所縁があるとかそういうのとか全然ないのに…プラモデルって面白いよな!