
いまはタミヤ、ハセガワだけじゃなくてNuNuやBEEMAX、ベルキッツなどなどラリーカーの新キットでオレたちの心の穴を埋めてくれるメーカーが百花繚乱。デカールの品質もひと昔前よりめちゃくちゃ良くなっているのでラリーカープラモにとってはまさに春が訪れています。狂気のグループBマシンか、あるいはセガラリーか。WRCに脳を焼かれたみなさんにお話したいのがここんところ流行しているRally Houseという音楽ジャンルです。ラリーカーが疾駆する映像に合わせた明るく軽快な4つ打ちにシンセピアノのウワモノが特徴的。とりあえずこれを見るのが手っ取り早いです。
もともとはTikTokとかInstagramに見られた「ドリフト映像にダークで不穏なエレクトロヒップホップ(Phonk)を合わせる」というスタイルがDrift Phonkとして流行したのですが、今度はど迫力のラリー映像にちょっと懐かしい曲調のハウスやUKガラージを乗っけてシェアするのが流行ったという感じ。まさに’90年代ビデオゲーム的なテイストを継承したちょっとスゥインギーでややローファイなサウンド(だいたいオシャレに聴こえるからね)をメインにしていて、これがラリーの泥臭い映像と非常にマッチするわけです。

ハウスとかUKガラージってのは音楽のジャンルなんだけど、Rally Houseというのはラリーの映像とセットになることに価値があるので最近ではこういうムーブメントを(音楽そのものっちゅうかシェアする時のマインドとしてのジャンルと捉え)マイクロジャンルと言ったりします。当然ながらDJやトラックメイカーもアリモノのエディットに甘んじず、これにマッチしたよりかっこいい楽曲を作るようになります。例えばレースゲームのSEやエキゾーストをオカズに入れたり、ミシェル・ムートン(アウディ・クワトロで無双したフランス人女性ドライバー)の肉声をサンプリングしたり。

面白いのはインスタやTikTokのリール、YouTubeのショートでシェアされることが前提だから「それ用」のトラックは90秒ちょいちょいとかなり短めなんですよね。そもそもダンスミュージックって同じビートで踊り、次のトラックとMIXされることが前提だからそれなりの長さが必要なもんなんすけど、いわゆるドパ需要みたいなのに合わせて音楽の役割や流通のしかたがどんどん細分化されるってのが面白い(だから「マイクロジャンル」と言われるのでしょうけど)。

私は好きなアーティストの歌詞がある音楽を聴くと手が止まっちゃうタイプなのですが、ダンスミュージックは淡々とプラモデルを作るのに良いなーと思っており、当然ながらラリーカーのプラモデルを作るのにRally Houseは最適なわけでございまして。そう考えると「Tank Tribal」とか「Fighter Trance」みたいなジャンルがあってもいいじゃねえかという気持ちになってまいりますね。Rally House、そもそも音だけ聴いてりゃただの’90sハウスじゃねえかみたいなところはあるんですが、なるほど映像とセット、あるいは眼前のプラモデルとセットなら完全にジャンルとして成立しています。結構長尺の動画がたくさんあるのでみなさんもお気に入りのMixを探してください。そんじゃまた。