
180SXって言われても聞いたことないなぁと思っていたけど、どうやらシルビアの兄弟車種らしい。シルビアなら聞いたことあるぞ! ノーマルではデートカーから、走り屋が峠でドリフトするためのチューンドベースカーとしても有名だ。エンジンからドアパネルまで、シルビアと多くの部分で同じパーツを使っているという180SX。パーツに互換性があることを利用して、フロントをシルビアに変えたシルエイティなる改造車もあるらしく、プラモデル好きな僕らとしてはカスタム欲も唆られる。
アオシマから発売されているチューンドカーのB-WAVE 180SXはハの字になったタイヤにスポイラーが各所に付いて派手なパッケージでいかにも’90年代のストリート仕様な感じがする。

パーツを取り出して眺めてみるが、真っ白なボディだと造形もなんだかよくわからないので、一通りパーツを組み付けて色を塗ってみることにする。パッケージにはバキバキのピンクで塗られた180SXが踊っているが、ボディのラインをよくみてみたいのでシルバーに塗ることにした。

シルバーに塗ると反射でプレスラインやパーツの形が強調される。僕が気にいってるのはリアウイングだ。「湾岸ウイング」なんて呼ばれたりもするトランクベタ付けになったウイング。今どきの空力が考えられたウイングよりも機能は劣るのかもしれないが、これはこれでボディとの一体感があり、時代を感じさせるかっこよさがある。

チューンドカーと大きく括られているこのシリーズ。じゃあチューンドってなんなのか、このウイングを見ていると考えさせられる。湾岸ウイングと名付けられたこのウイングは高速走行を意識したパーツなのだろうが、それ以上に「湾岸を走る走り屋らしさ」を象徴するパーツとも言える。湾岸最速を目指すことと「湾岸を走る走り屋らしいスタイル」を楽しむことは、似ているけれども全然違う。速さだけを求めるなら合理的じゃないチューンっていうのもある。そもそもこのカスタムはドリ車寄りだし。

だけど、矛盾しているように見えるこのチューンドの車たちは、速さとカッコ良さ、ショップのデモカーや雑誌の特集、湾岸に集まる若者たち。そういういろんなものが混ざり合ってストリートカーカルチャーっていうのを作っていたんだと思う。どんな色にするのか、ウイングはつけるのか外すのか、ホイールは?キャンバーは?あの頃の若者たちが楽しんだ車っていうものがプラモデルという「選択肢を内包している遊び」だから追体験できる。アオシマの「チューンドカー」が表現しているのはこのカルチャーそのものなんだろう。