

アオシマというメーカーにおいて、青春モビリティ漫画は必修教科。「青春モビリティ漫画」というフレーズは令和のコンプラに合わせて私がいま考えたものですが、昭和におけるヤンチャとエンジン……すなわち改造されたバイクや自動車は切っても切れぬ関係にあります。その一角をなす楠みちはる先生の長編、『あいつとララバイ』『シャコタン☆ブギ』『湾岸ミッドナイト』は同社から漏れなくプラモデルが発売されています。
本来的には「ハジメのソアラ」が”主人公機”なんでしょうけども、パイロット版にあたる第一話を読むと「アキラのZ」もめちゃくちゃ存在感があります。ハジメのソアラは白青のツートンですが、アキラのZはまるっと空色。こっちのほうが気楽に作れそうだしね。

パッケージを開けたらブルーのボディが入っていて、思わず喝采。イラストと完成見本写真と「塗る前のボディ」がほとんど同じ色って、素晴らしいことじゃないですか。自分で好きな色を塗るために待ってくれている白のボディにもいいところはありますが、キャラクターモデルとして売り出されているアキラのZは、水色であることに商品価値があるというわけです。

バリエーションキットを意図したバラバラのボディではなく、オーバーフェンダーも最初から装備された状態でまるっと一体化されたパーツを見ると、やっぱりカーモデルっていいなぁと思います。最終形に近いカタチのパーツがもっとも存在感を放っていると、その他の工程がどれだけあるのかよくわからなくても「こんだけできているなら、まず間違いなく完成しそうだな」と感じちゃうマジック。

シャーシをひっくり返すとぺたんこのトランスミッションが彫刻されていて、モーターで走らせて遊んでいた頃の名残としての電池ボックスやスイッチ類が見えます。もともとはグンゼ産業が販売していたDATSUN 280Zの金型をアオシマが引き継ぎ、ボディその他を新造して組み合わせ、アキラのZとして仕立て直したものなんですねぇ。

こまかーく見ていくと「正しくないところ」もあるのですが、気にしなければ「漫画読んで盛り上がったらそのままズバーっと貼って楽しいプラモ」であることには間違いありません。青いボディに「Yanky Mate!」のデカールを貼れば、土佐のヤンチャな仲間たちがわいのわいのと騒いでいる様子が頭に浮かんでくるはず。シャコタン☆ブギシリーズとしてはひさびさとなる再販、みなさんぜひともボディ色を愛でながら作ってください。おおらかな時代のプラモデルの息吹が感じられます。そんじゃまた。