最新記事やプラモデル情報を毎日お届け!
follow on Xをフォロー!

【レビュー】ポージング自在な「可動カーモデル」を楽しもう!/アオシマ S15 シルビア ‘99 エアサスカスタム

 完成後したあとも車高やキャンバー角、ステアリング角が4輪それぞれ自由に変更できる……。カーモデルなのにポーズがつけられるのがアオシマの最新スタイル、「エアサスカスタム」のおもしろいところです。R32GT-R、FD3S RX-7に続きS15シルビアが登場しましたが、このシリーズは既存のカーモデルのボディや室内パーツを使いながら新規開発された全車共通のシャーシと組み合わせた内容なのがミソ。全部違うクルマなのになんでシャーシが共通にできるのか……と私も思っておりました。

 説明書のいちばん最初に来るのが前後2分割されたフロアパネルを合体する工程。溝と突起、ラチェット機構がうまいこと組み合わさって「チキチキチキ……」とホイールベース(前後のタイヤの距離)が変えられる仕組みがすこぶる楽しい。この設計によっていろんなボディに合わせた長さのシャーシが作れるわけですね……。さらにフロア中央の天面には丸や卵型、長円のカタチをした受けが彫刻されていて、いろんな車種のキャビン(だいたいバスタブ状になってて底面に4つのピンが出ている)を受け止められるようになっているのです。

 車種ごとにボディのカタチは違うので、それぞれ専用のボディキャッチ(シャーシ側に取り付けてボディの受けと噛み合う突起のパーツ)が用意されているのも工夫されているポイント。共通のシャーシは説明書で指定されている目印の部分で長さを決め、専用のボディキャッチと組み合わせるだけでメーカーも設計も全然違うクルマのシャシがあっという間に完成するというわけです。

 そこにまるでキャラクターモデルの関節のように動きまくる車軸を組み付けてホイールとタイヤをハメればシャーシは完成。タイヤの上下位置、傾きがグリグリ動かせる「モルカー状態」でしばし遊びます。実物の自動車はもっともっと複雑なサスペンション機構や動力伝達機構が備わっているわけですが、そういうのは全部無視して裏返さなければ見えないところで徹底的にウソをつき、タイヤが動くことに全振りしています。

 これだけ割り切って「タイヤが動いたほうがおもろいでしょ」というメッセージを発しているので、実物通りに精密に作るよりも色を塗らずにサラサラと組み立てるのがこのキットの空気にマッチしているかな……と思っていたのですが、キャビンのパーツが真っ白で横転。ここが黒とか濃いグレーだったらもうホントにキャラクターモデルを組むような調子でイケると思いました(まあ最近の私はどんどんカーモデルを完成させたいので室内は全部濃いグレーでまるっと塗装しておしまい、というのにハマっているのでこれも同じようにすればいい、といえばそう)。

 反対にボディカラーは目に鮮やかなグリーンでございます。リアコンビネーションランプもクリアーオレンジとクリアーレッドのプラスチックになっているのでこまかい塗り分けを気にしなければまあまあ雰囲気のある仕上がりになりますよ。フロント、リア、Cピラー周りの黒フチはカット済みマスキングシートを使って黒いアクリルマーカーで塗装。ワイパーがくっつくカウルトップ部分も同様に黒マーカーで塗っておきます。アクリルマーカーが一本あるだけでクルマのプラモデルがめっちゃ楽しくなったのはここ数ヶ月の革新的なできごとだな。

 フロントバンパー、リアマットガード、サイドステップ、リアウイングといった純正エアロパーツはフィッティング良好!設計の狙い通りシャーシがボディ内側の突起にカチッとハマってS15シルビアが完成。ホイールは18インチのRAYS CE28N plusが新規金型パーツで用意されており、グリーンのボディのゴールドのアクセントカラーも映えます。タイヤは鬼のようなハの字にしてよし、着地してよし、ツラやホイールアーチとのクリアランスを意識した微調整をカマしてよし。完成したあとも好みの「ポーズ」で飾れる楽しい模型です。

 もちろんシャーシの形状は実車どおりじゃないしホイールを動かす仕組みもギミック優先のフィクションです。しかし、機構を再現するのではなくカスタムカーの見た目をユーザーの好みに合わせてグリグリといじれるというのは実際にやってみるとかなりおもしろい。考えてみりゃプラモデルのロボットがポリキャップで動くのも飛行機のプロペラがエンジンとつながっていないのも「模型なりのプレイバリュー」ですから、カーモデルにもそういう仕掛けがあったっていいじゃない……と思わされます。日曜の午後にサクッと完成させる自動車のキャラクターモデルとしてみなさんにオススメしたいアイテムでございました。そんじゃまた。

からぱたのプロフィール

からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。

関連記事