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【レビュー】気分を変えるのに優秀すぎるデフォルメ戦車プラモ!/モンモデル「キューピッドのシャーマン」

 「この際、キューピッドをのせてみては?」「戦車に?」「はい。戦車に」
 ケレン味のあるプラモデルを手にするたび、このキットの企画会議はいったいどんな様相だったのかと思いを馳せる。モンモデルのワールドウォートゥーンシリーズが極端なディフォルメ戦車で独自性を出しているのは解る。そのシリーズ展開のなかで「 キューピッドのシャーマン」と題し、戦車をピンクにしたうえに天使を乗車させるのはぜんぜんわからない。わからないけど、嫌いじゃない。むしろ好きなノリだ。だが今回、面白ネタでは収まらない、プラモデルとしての強度を感じたので紹介したい。

 イロモノキットに違いない、と正直半笑いで箱を開けたのだが、キューピッドの造形が思いのほか抜群で驚いた。顔の彫りが深いうえ、不敵な笑みをうかべているので「箱絵とぜんぜん違うじゃないか!」と声を出したのだが、ポッコリお腹とキュートなおしりには大満足。戦車はさておき、キューピッド単体でも「ベスト・オブ・ザ・ベスト天使プラモ」と言えるので、これだけでも買いのキットだ。ハートの矢の造形も素晴らしいのだが、ピンクの戦車に乗った天使がいったいなにを射止めるのだろうか。公にはなっていない密かな設定でもあるのか?

 戦車のほうはと言うと、コミカルな外観ながらフックやライトガードなどのディテールは省略されておらず、細かなパーツを植えていくと緻密さが増していくというスケールモデルとしての嬉しさがしっかりあって驚いた。鳥山明インスパイア系だとは思ってはいたが「私たち真剣なんです」感が伝わってきて、サクッと組めるキットながら良い手応えがあった。ただ、細なパーツがポロリしやすいので流し込み接着剤をチョン付けした方がよい。

 ピンクのプラスチックパーツにパープルのゴム履帯というビビットな組み合わせなのだが、ふんわりとした色合いなので大変ファンシー。表面が綺麗な半艶仕上げなのでマカロンみたい。このあたりで「凄く良いなこのプラモ」との気持ちが爆発した。いやマジ、マカロンみたいに多彩なファンシーカラーでこのキューピッドシリーズ展開してくれないかな。

 完成、設置、揺れるシャーマンに思わずニッコリ。寸止まりな接地面ゆえ、ゆりかごみたく前後に揺れてしまうのだが、その様子がキュートすぎる。なんだろう「気分が変わるプラモ」として大変優秀なキットだ。鮮やかなプラ成形色、軽い組味、精巧さとコミカルさの絶妙なバランス。「ちょっとプラモ触って気分変えたいけど時間と気力がない」という時にジャストなキットなのかと。オススメ。

 繰り返しになるが、なぜシャーマンにキューピッドを乗せたんだ。ピンクの戦車に乗った天使がいったいなにを射止めるんだ。企画した担当者に熱弁してもらいたい。そんなプラモがまたひとつ増えた今回なのであった。

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