
週末の模型ライフが楽しくなっちゃうプラモを、フミテシの独断と偏見でお届けする花金プラモ。今週は「PLAMAX minimum factory いなほ with ホンダ耕耘機F90 水田車輪Ver.」をお届けします。

初夏の訪れを告げる景色のひとつが田んぼです。ジョギングをしていると、水を張った田んぼに並ぶ若い苗がキラキラと輝き、吹き抜ける風と一緒に季節の変化を教えてくれます。そんな景色を作り出しているのが、今回ご紹介する耕耘機。普段は主役になることの少ない農業機械ですが、プラモデルになるとその働きや格好良さがぐっと見えてきます。何気ない日常の風景と模型がつながる瞬間があるから、プラモデルは面白い。しかも今の季節なら、その魅力をより身近に感じられるのです。
ホンダF90は1966年に本田技研工業株式会社が送り出した耕耘機。レトロなメカですが、そのデザインの先進性は素晴らしく、流麗なスタイル&顔のような二つ目ライトな面は、一目見たら忘れらないほどのインパクトがあります。

本キットはそんなF90と、人気イラストレーター・山下しゅんや氏デザインのかわいい女の子「いなほ」のフィギュがセットになったプラモデル。かっこいいメカに可愛いフィギュアという最強タッグが箱の中で完成しています。こちらはフィギュアのパーツ。

こちらはF90のパーツ。本キットはどちらが主役という感じではなく、まさにふたりはプリキュアのごときダブル主役プラモ。どちらかだけでなく、どちらも作って楽しみましょう。土曜日はいなほと、日曜日はF90という感じ週末2日で作り分けるのもぴったりですね!

いなほはオーバーオール姿とタンクトップ姿を組み替え可能。こちらはタンクトップ姿の腹部パーツ。引き締まったボディが美しい凹凸で表現されています。

タンクトップ姿の胴体を中心に、フレッシュなパーツを貼り合わせていくと、少しずつ人の形が立ち上がっていきます。昨今のプラモデルメーカーによる「人間プラモ」のパーツ分割は本当に面白いものです。その面白さをプラモデルシーンの中で大きく押し広げた存在のひとつが、minimum factoryシリーズでしょう。
いなほは、現在のminimum factoryのような本格的な3D造形へ移行する以前のモデルです。いわばシリーズ創成期の味わいを楽しめるキットと言えます。それでも成型色ごとの巧みなパーツ分割や、服のシワ、肌の境界、関節部分を利用した分割など、メーカーの工夫を存分に味わうことができます。
まずはいなほを組み、そこから最新のminimum factoryを手に取ってみる。そうすれば、人間プラモがどのように進化してきたのかを、手を動かしながら実感できるはずです。

胴体と頭部を接着しなければ、お好きな時にオーバーオール姿、タンクトップ姿を組み替えて楽しめます。両面テープや練り消し、セメダインBBXなどを活用して仮り固定すると取り回しもしやすくなります。

フィギュアの「目」なんて塗れないよ! って人も安心です。デカールが入っています。しかも失敗しても大丈夫なように、各4セットも入っていますよ。ぜひお好きな表情になる目を選んで貼ってくださいね。

F90のランナーの中でも一際異彩を放っているのがデュアルヘッドライトを搭載したグリル部分。これだけ見るとかなりのメカトロ味がありますね。

本キットは水田車輪がメインとなるのですが、なんと普通のタイヤも入っています。こんなサービス、箱を開けるまで分からなかったぞ! お好きな方を取り付けられますが、僕は水田の景色に感動して本キットを買ったので、水田車輪で行きますよ。


左右割の内部機関に赤やアイボリーのパーツを取り付けていきます。ここの組み合わせは気持ちよく、特にハンドル部分のパーツのちょっとだけトリッキーな接着の仕方が「パチリ」とハマった時の快感が最高です。そして赤いパーツとアイボリーのパーツが目の前に現れてくると、スーパーカブの色のようで、ホンダの血を体感させてくれるのです。

そしてついにグリルの登場です! これをつけた瞬間に「メカ」になる。そんな存在感を爆上げするパーツです。

本キットで最も組み立てに注意したいのがロータリー部分です。金属シャフトに通しながら接着します。接着面には切り欠きがあって各パーツガッチリと組み合うようになっています。爪のパーツは薄いので、折らないようにしましょう。

完成!! 麦わら帽子や水筒、やかんも付属し、農作業を想起させるお供も完璧です。日本の農業を支える働く車両たちは、現在もデザイン性と性能を兼ね備えた魅力的なマシンが数多くあります。農家を営む従兄弟も「やっぱりかっこいいマシンで農業してんのが楽しいんだ」と話していました。かっこいいマシンは、使う人を良い仕事へ導く。そんな精神は、1966年に生まれたこのF90という革命児から後世にも引き継がれているのかもしれません。ぜひこの週末、素敵なマシンを素敵なプラモデルで楽しんでください。それでは!