
す、すごいシンプルなパッケージ。もしかして中身もだいぶ省エネな製品だったり? と避けちゃいそうになりますが、今日はこれを開けてみましょう。
アカデミーのF8F。舶来品の1:48キットですが、購入時なんと2,000円台前半でした。いやあ、お財布にはありがたいですけど、一体どんなプラモが入っているんでしょうか……。
出てきたパーツたちは、意外にもシャッキリ。ストレートな凹彫刻がピシッと入った面々です。組み立て構成のほうは、パッケージの印象どおりシンプル明快。過不足ない標準的な内容なので、飛行機模型に心得のある方なら「ああ、これはあの部分ね」と一瞥して分かるほどでしょう。
あまりのシンプル箱と安価さにちょっぴりビビっていましたが、これなら大いに安心です。さっそく組み立てていきましょう。

キット名にある「F8F-1/2」とは、F8F-1とF8F-2のどちらかを選んで作れるということのようです。両者の大きな違いはエンジン周りと垂直尾翼。ご覧のように「こっちのバージョンならコレ」というランナーが入っていて、どちらを選んでも加工や切削の必要なく組み上げられます。パーツの合わせは良好、一方でケレン味はいっさいなし。大きめのパーツがスパスパと組み合わさって、工程は淡々と進みます。

おどろくことに、一晩で形になりました。集中すれば2時間もかからずモノにできるかもしれません。プラモとして表情豊かなタイプではありませんが、そのぶん苦も無くさっくり組み上がるのが美点ですね。例えば脚庫や空気取入穴などの精密感や立体感はきっぱり割り切られていますが、そこは前述の魅力とトレードオフということでしょう。個人的には、このスピード感重視の味付けを大いに支持したいところです。なにせ、このあとも高速で走り抜けることができる、稀有なモチーフなのですから……。

そう、ここからもスピードが落ちない、いやむしろ加速するのがF8Fの面白いところ。全面ブルー1色なので、塗装までもシンプル明快なのです。これだ! と決めた塗料を無心で吹き付ければ、あっという間に塗装完了。完成目前までワープした感覚です。一気にリーチを迎えましたので、あとは陰影を描き足すもスミ入れするもご自由に。

ワープで生まれた心の余裕を、今回は光沢仕上げに注ぎ込んでみました。安価でシンプル&全面1色の機体は、こうした試行にもってこいですね。

輸入キットの雰囲気を味わえながら、異例の手軽さとスピード感を備えるアカデミーのF8F。これは近年のプラモ売り場において貴重といえる一箱かもしれません。
ところでF8Fは、エアレース機としても活躍したスピード自慢の飛行機なのでした。このキットも実機同様、スピード勝負ではかなり上位に食い込めそうです。みなさんも、ぜひ!