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PLAMAXキングゲイナーの可動ギミックは「figmaと美少女プラモの到達点」だ!

 「キングゲイナーがプラモデルになるんだってさ!」と聞いて、「ええ? どうやって!?」と思ったアナタ。アナタは正しい。なぜならキングゲイナーはまったくプラモデル向きの形状をしているロボットではないからです。このロボット……というか「オーバーマン」は、いわゆるロボットプラモデルの常識に照らすと構造的に成立させるのがとても難しい見た目をしています。

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 キングゲイナーは2002〜2003年に放送された『OVERMANキングゲイナー』の主役メカ。監督は富野由悠季なんですが、本作は富野監督が90年代のしんどい時期を乗り越えて心身ともに回復した時期の作品とされており、「健康な時の富野さん」らしい快活で明るい冒険活劇となっています。そんなハツラツとした作品のノリを象徴するようなメカが、タイトルにもなっているキングゲイナーなんですね。メカというよりも着ぐるみヒーローに近い出で立ちで、関節構造の説得力よりも躍動感と人間味が前面に出ています。実際、アニメ内でもその「着ぐるみ的構造」は徹底して描かれていて、これはただのコンセプトではなく、演出の前提にすらなっています。

 「関節部分がグニャグニャした素材で覆われている」という構造はロボットプラモにとっては鬼門のひとつで、パトレイバーの関節やエヴァンゲリオンの肘について各社様々なトライをしながら、いまだに絶対の正解が出ていないことからも、プラモにおける「柔らかい外装で覆われた関節」の表現の難しさがわかります。キングゲイナーの関節は完全に布で覆われた形ではないものの、「ここがこう動きます」というポイントが明確なメカニカルな形状とはなっておらず、なかなか難解な形をしています。そこを力づくで突破した名作として海洋堂のリボルテック版キングゲイナーがあるんですが、あれは山口勝久という天才のパワーで成立した奇跡みたいなものなので、ちょっと再現不可能というか……。

 で、「大人だからやれんだろ!」とばかりにその無理を通したのが、今回発売されるPLAMAXのキングゲイナー。設計したマックスファクトリーにとってキングゲイナーは初めて立体化した題材というわけでもなく、2005年にPVC製の”無可動フィギュア”をリリースしています。PLAMAX版はこのフィギュアのプロポーションをベースに開発され、どこかあどけない、キングゲイナーらしい少年っぽいプロポーションにまとまっています。

 この20年にマックスファクトリーで起きたことといえば、PVC製可動フィギュアシリーズの「figma」が始まり、さまざまなサイズ・体型・衣装のキャラクターを動かすことで、「どこに関節を仕込み、どこを隠すか」「どうすれば破綻なく動かせるか」というノウハウを獲得していった……というストーリーが思い当たります。さらにここ5年ほどで美少女プラモというジャンルが爆発的に進化し、「関節を見せずに構造体を可動させる」という設計思想が、より立体的かつ実践的に育ちました。PLAMAXキングゲイナーの設計において、マックスファクトリー自然とその二つの文脈──figmaと美少女プラモ──を持ち込んだのは、ある意味必然といって良いでしょう。

 ガンプラ的な「分割された外観/それをつなぐメカニカルな関節」というアプローチではなく、「人間のようなラインをどう崩さずに動かすか」という、人型可動フィギュアが蓄積してきた知見を基底にしているから、PLAMAXキングゲイナーは「動かしても着ぐるみ感が失われない」という性能を獲得しているのです。

 開発に携わったマックスファクトリーのスタッフも「本質的には美少女プラモの文脈を汲んでいます」と語るとおり、figma的な構造に美少女プラモの構成を乗せた、着ぐるみロボットのプラモデル。誰もその正解を知らないまま、20年間答えが出なかった問いに、ようやく技術とカルチャー追いついた。PLAMAXキングゲイナーは、過去に一度諦めた夢を、今度こそ可動プラモというかたちで手にするための、静かで力強い回答なのです。

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しげるのプロフィール

しげる

ライター。岐阜県出身。元模型誌編集部勤務で現在フリー。月刊「ホビージャパン」にて「しげるのアメトイブームの話聞かせてよ!」、「ホビージャパンエクストラ」にて「しげるの代々木二丁目シネマ」連載中。プラモデル、ミリタリー、オモチャ、映画、アメコミ、鉄砲がたくさん出てくる小説などを愛好しています。

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