
エクスプラスのアリスが発売されたので皆さんに非常に重要なことを伝えたいのですが、スナップフィット(接着剤を使わなくてもパーツを組み合わせられるしくみ)のプラモデルは接着剤を使うとめっちゃキレイに組めます。これはパーツ同士をわざわざ貼り合わせてからヤスリをかけて合わせ目を消そうという意味ではございません。力を使わずにパーツをハメ合わせ、設計の意図通りの位置にパーツがピタッと収まり、完成後もパーツがポロポロ外れないことがいかに大事か、という話。

スナップフィットのプラモデルは基本的にパーツの裏側から生えている凸(ピン)を相手側の凹(ダボ)に押し込む構造になっています。ハメ合わせたパーツが簡単に外れたら困るので、それなりの力が必要です。ひとつやふたつならまだしも、たくさんパーツをハメあわせていると指が疲れます。ときにはパーツが所定の位置までハマり切らなかったり、あるいは簡単に取れてしまう緩いハメ合わせに出会うこともあります。そこで、凹(ダボ)の内側にプラモデル用の流し込み接着剤を一滴だけ塗ります。「接着のため」と思ってドバドバ塗らなくてもいいです。おまじないだと思ってほんの少しの量をチョンと置くだけです。

接着剤を塗る最大のメリットは「パーツをハメ合わせる力がほとんど不要になる」ということです。接着剤が潤滑油代わりになり、ダボに対してピンがヌルっと入ります。ピンが途中で引っかかって入り切らない……ということも起きなくなるので、パーツが設計されたとおりの位置までしっかりと差し込めます。スナップフィットのプラモデルを作っていて感じる「なんだかパーツが奥まで入り切らなくて合わせ目に隙間ができる」「どこが定位置なのかわからないままパーツがフワフワした感触になる」といったトラブルを防げます。

スナップフィットのダボに接着剤を塗るのには「ちょっとゆるいパーツもしっかり接着される」という副次的な効果もあります。世の中には「確かに接着剤を使わなくてもパーツが所定の位置にハマるけど、ちょっとした振動でポロっと落ちてしまう」みたいなプラモデルもたくさんあります。ガンプラに慣れているとなかなか意識しづらいのですが、造形と設計のせめぎあいの中でハメ合わせ部分を浅くせざるをえないこともあるのです。

プラモデルに慣れている人がこれを読むと「それならピンもダボも切り飛ばしてパーツ同士を接着してヤスリかけて合わせ目消したほうがキレイだろ」と思うかもしれませんが、一箇所ヤスリをかけたら全パーツのすべての面にヤスリをかけないと完成しなくなります。そのあとに待っているのは下地塗料吹いて全塗装してデカール貼ってトップコート吹いて……という「気が済まない」のフルコース。色分け済みのプラスチックパーツをそのまま活かしたいけど、パーツの表面を接着剤で汚さずにキレイに組むのにもまた、それに適した方法というものがあるはずです(可動モデルは可動部に接着剤を流さないよう注意!)。

エクスプラスのアリスはスナップフィットによる組み立てを意図した設計になっていますが、複雑な髪の毛の造形や身体の大きなパーツ同士のハメ合わせはピンとダボだけに頼るとやや組み心地に不安があります。ガンプラ以外のロボットプラモも含め、「パーツを組むときに力を入れなくてすむ」「きちんとパーツが所定の位置に収まる」「組んだあとでパーツがポロポロ落ちないようにする」というのは現代のスナップフィットモデルを組む上での超重要ポイント。接着不要のプラモデルに接着剤を使うなんて……と思わず、ぜひとも「ダボに流し込み接着剤を流す」で快適かつ確実な組み味を楽しみましょう。そんじゃまた。