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【レビュー】ボトムズ=緑の常識を心地よく裏切る。成型色の「紫」が新鮮なウェーブのスコープドッグを組もう

 定番とは違うカラーリングの機体には、独特の魅力がありますよね。個人的には『Zガンダム』における地球連邦軍カラーの水色ハイザックや、『聖戦士ダンバイン』のバーン・バニングス用黒色ドラムロなどに心惹かれてしまいます。そんなちょっと違う色を好むモデラーにぴったりのキットが、ウェーブから発売されています。
 『装甲騎兵ボトムズ』のプラモデルを作るとなれば、やはりお馴染みの深緑色を思い浮かべる方が多いでしょう。スコープドッグといえば緑。しかし、今回ご紹介する「1/35 スコープドッグ ラウンドムーバー[メルキア軍カラー][ST版]」は、そんなお約束に心地よいスパイスを与えてくれます。

 箱を開けてランナーを手に取ると、目に飛び込んでくるのは見慣れたグリーンではなく、なんとも綺麗なパープル系のパーツ群。思わず「おおっ、良い紫色だ!」と声が出ます。ラウンドムーバーとペンタトルーパーを装備したメルキア軍カラーの機体は、TVシリーズ第1話に複数機登場しました。その後もウド編などで姿を見せ、主人公キリコ・キュービィが搭乗するグリーンのスコープドッグとはまた違った印象を残しています。

 ギルガメス連合の三代目主星であるメルキアの「メルキア軍」採用しているこの紫色は、同じデザインのスコープドッグをまるで別のメカのように新鮮に見せてくれます。成型色がこの淡いパープルになるだけで、泥臭い地上戦のイメージから一転、第一話冒頭の宇宙空間での運用を思わせるSFチックな魅力が際立ちます。

 そして、このキットが「ST版」であることも見逃せないポイントです。ウェーブの1/35ボトムズシリーズにおけるST版は、コクピットの内部構造をあえてオミットし、外観の再現と「組み立てやすさ」に特化した仕様。接着剤不要のスナップフィットでパーツをパチパチと合わせていくだけで、大河原邦男氏の描くマッシブで美しいシルエットが素早く組み上がります。スコープの回転などの特徴的なギミックはオミットされていないので、オープンニングのようにクルクルと回しながら「炎のさだめ」を口ずさむこともできますよ。

 休日の午後や平日の夜など、ちょっとした空き時間にストレスフリーでサクッと組める。この気楽さは、現代のプラモデルならではの快適な組み立て体験です。

 さらに、背部に装着された丸みを帯びた宇宙用装備「ラウンドムーバー」と、印象的な手持ち武器「ペンタトルーパー」が、パープルの機体にメカニカルなアクセントを加えてくれます。完成したメルキアカラーのスコープドッグを机の上に置いてみてください。いつもの緑色の部隊の中にこの紫の機体が1機混ざるだけで、ディスプレイの景色がグッと引き締まるはずです。ボトムズは緑だけじゃない。成型色の美しさをそのまま味わいながら、いつもとは違う「紫のスコープドッグ」の新鮮な組み立てを楽しんでくださいね。

SSC

1979年生まれ。サラリーマンの傍ら、模型誌でキャラクターモデルの作例も製作している。模型サークル「PLASTICBOMB」のメンバー

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