
プラモデルを作るという行為は、常に箱を開けるところから始まる。
貼り箱のフタを「パカッ」と持ち上げるのか、あるいはキャラメル箱の端をたわませながら引き出すのか。そうした指先の感触は、知らず知らずのうちに身体に染み込み、「今はこのメーカーの模型を作っている」というムードを知らず知らずの間に作っていく。それに気づくのは普段と違うメーカーのものを作ったときくらいなもの。だからこそあまりにも自然、というか無意識的に刷り込まれていることがよく分かる。
多くの人は、箱のフタや底を使って、ランナーを整理しながらプラモデルを作るのではないだろうか。使うパーツは机に、それ以外は一旦箱へ戻す。パーツ点数が増せば増すほど、自ずとそうせざるを得ないというか。

特に、完成後の可動や変身といった豊かなプレイバリューを約束する近年の美少女プラモデルともなれば、パーツの数は膨大になる。遊べる分、手間も増える。ただし、とびきりかわいい製品がものすごい幅を持ってラインナップされている楽しいジャンルなのは間違いない。

そんな中、ずっと気になっていたのがマックスファクトリーのGOZ ORDERシリーズ。特に正統派の騎士とは少しだけ違うメグミ・アスモデウスは「いつ買うかどうか」といった状況でジリジリと気になり続けていたのだった。実際に買ってみて、作ろうと思ったときに私に妙な印象を与えてくれたのは箱だった。

製作を進めるたびに、必要なランナーを山の中から引っ張り出しては戻す。その繰り返しのなかで、箱がいい感じにフニャッと変形することに気づいた。元々ついた折り目が生み出しているものだが、もしこれが頑強すぎる貼り箱であったなら、ランナーそのものや尖ったパーツが引っかかって地味なストレスになっていたように思える。

積み重なったランナーの奥深くに手を突っ込むとき、この箱のしなりが、ちょっと笑っちゃうくらいに効果的で、とにかくパーツが取り出しやすい。ランナーの重みに合わせて箱が形を変え、手の動きを拒まない。メーカーが意図して選んだ仕様なのか、あるいは偶然の産物なのかはわからない。ただ、箱の寛容さが妙にありがたくて、メグミの変身前の姿はあっという間に出来上がったのだった。顔や首元から垂れる十字架風のデザインの布などは塗装済みで、完成したときの雰囲気を十分リッチにしてくれるのが素敵だ。