車を買うとき、それは本当に欲しかった車とは違うかもしれない。そんなときはプラモを作ろう。幸運にもマイカーと同じ車種のプラモがあったなら、それはマイカーの魅力を教えてくれるから。
先日、初めての車を買った。ライフステージの変化や仕事の都合など色々と理由はあるけれど、シンプルに生活の足が必要だから。 以前は、他の誰も持っていない個性的なカラーリングとスタイリングで、いかにも速そうな最高にクールな車が欲しかった。ところが実際はそうならず、予算／駐車場／燃費／リセールバリュー／居住性など様々な条件を考えると、選ばれたのは街でよく見るプリウスだ。 実際に乗っていて申し分ない車だと感じる。でもまだ何か物足りない。マイカーを本当に好きになれてはいなかった。
相手を好きになるにはまず相手のことを知ることだ。アオシマの楽プラ「ザ・スナップキット No.02 トヨタ プリウス」がマイカーとほぼ同じだった。まずボディ全体が一体パーツになっているので、こいつはプリウスなんだと一目でわかる。ボディのきれいなツヤが光を反射して気持ちを高めてくれる。ボンネットの反射に注目すると、全体の緩やかなふくらみに、ヘッドライト上の隆起と、窓の根元のフラットな面という3種類が組み合わされていることに気づいた。 意外に複雑な面構成をしているぞ！
クリアパーツもきれいに光を反射している。窓パーツは透き通った無色透明だけど、私は実車を持っているので本物の窓は少し青色なことを知っている。日光を適度に遮って眩しくないようにするためだそうだ。 ただの窓にも工夫があったのか！
嬉しかったのは星型のシールが用意されていること。プリウスにはいくつかグレードがあるのだけど、マイカーは「ツーリングエディション」という少しスポーティなタイプで、私のささやかなこだわりだった。ツーリングエディションは、ホイールに星型のデザインが入っているのが特徴。このプラモにも星型デザインが採用されていて、それは「このタイヤがベストだ」と思って企画開発した誰かがいることを示している。 私のこだわりを肯定してくれる人がいる！
プラモを作って、じっくり眺めて、実車と見比べる。すると単なる道具だったマイカーとの距離が近づいていく。普通の乗用車のカーモデルはスーパーカーや往年の名車に比べると地味かもしれないが、自分とのつながりをとても強く感じられる。 でも……、やっぱりもっとクールなカラーリングがいいな。プラモなら理想の姿にできる。このキットは組み立ての最初にシールを貼るので、塗装したいときはシールの前に塗ろう。私は既に組んでしまったのでもう一個買ってきた。愛車が何色ならもっとクールになれるだろう……。
をフォロー！
