
ホンダといえばやはりエンジンのメーカーです。F1、バイク、インディカーなど、プラモデルを作っているとホンダのエンジンを組む機会はけっこうあります。カウルの下に隠れてしまいがちなエンジンですが、実際に手で組み立てるからこそ、構造の意味や仕組みの面白さがよくわかる。プラモデルの魅力が詰まっている部分です。

そんなホンダというメーカーは、じつにプラモフレンドリー。さまざまなホンダのマシンを模型として作れますが、今回ついにたどり着いたのが大型船外機「BF350」。船のうしろで推進力を生み出すすごいマシンです。「ホンダは海にもエンジンを持っているのか……!」という驚きとともに、V8エンジンという構成、そしてF1と同じ1/20スケールという点にも惹かれて、見てみたくなりました。
ランナーは金属を意識した色味になっていて、特にエンジン部のグレーが絶妙です。少し特別な金属のような質感で、外装やブラケット部分のメタリック感との対比も楽しいところです。

エンジン部分はV8ということで、レース系のプラモデルではおなじみの構成ですが、4952立方センチメートルというスペックには驚かされます。約5リッターというのはモータースポーツではめったにない大排気量です。ル・マンのLMP2クラスが4.2リッターで「大きい」と言われるくらいですから、それよりさらに上。とんでもなくパワフルなエンジンです。

F1などでおなじみの吸気・排気や冷却用ラジエターの配管なども当然あると思いきや、このモデルは船外機。冷やす水は船外機なので汲み上げ放題、排気もスクリューの中央にある穴から水中へ……って、ズゴックかよ! しかも動力はエンジンからスクリューへ直結しているのでギアボックスがありません。見慣れたV8エンジンなのに、メカの総体としては自動車とまったく違う姿になっているのが面白いところです。このごついシャフトを差し込む部分をよくぞここまで再現してくれたな、と思います。動力が“直接伝わる”という構造が手でわかります。

カバーに貼るメタルインレットは少し緊張する作業です。台紙をはがして貼りつけると一気に完成に近づくので、ズレないように慎重に。マスキングテープでガイドを作っておくと安心です。最後に透明シートをゆっくり剥がして、インレットが正しい位置についているか確認しましょう。これだけで仕上がりの印象がぐっと引き締まります。

そしてエンジンのプラモデルを作っていたら、女の子がついてきました。プラマックス×ホンダシリーズでおなじみの「みのりちゃん」です。キャップかグラサンか、ライフジャケットの着こなしを選べるのも楽しいところです。パーツの分割や合いの良さはさすがで、お腹まわりの合わせ部分にしっかりしたガイドがあり、気持ちよく組み立てられます。

流れるような外装の内側で、モンスターV8エンジンが唸り、力を余すことなくスクリューに伝える。そして熱せられたエンジンや排気を海や湖の水で冷やす。そんな仕組みを、自分の手で組み上げながら理解できるのが最高です。流麗なカバーの下に、モータースポーツ顔負けのすごいエンジンが潜んでいることを指先から体感できる。この感覚は、まさにプラモデルでしか味わえません。さらに1/20スケールの女の子プラモデルも付いてくるので、この体験はまさに“買い”なのデス!