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タミヤ 1/24 Honda プレリュード(BF1)は何が凄い?超リアルな“荷物パーツ”の作りで理解する設計思想

 タミヤの最新作はゴルフバッグ、スーツケース、ボストンバッグの超リアルなプラモデルです。
 ……というのは半分ウソで、半分ホント。カーモデルのオマケでありながら、おそらく実物の3Dスキャンをベースに質感表現をとことん追求した3つの「荷物」を組み、眺め、塗る楽しさを味わえる。これまで多くの兵士やドライバーの人形を立体化してきたテクニックを使って、「クルマに積むものあるある」が手に入る面白さ。

 タミヤ製のHonda プレリュード BF1は、実車と同じく「後席をバタンと倒して広いラゲッジスペースを確保する」というギミックを備えている。ただおもしろいからそうしているのではなく、このクルマのコンセプトと後席の持つ実際的な機能を考えると”そうせざるを得ないよな”と感じ入る……というのはすでに書いたとおり。しかし、「せっかくなら実際にどれくらい荷物が入るのかも体感しちゃいましょう」というのを立体的に見せられるのがプラモデルという媒体のおもしろいところだ。

 出色なのはボストンバッグの分割だ。底面を斜めに通る分割線はボストンバッグの側面の縫い目に沿って上昇し、ジッパーの部分を通る。最小単位のパーツでふたつの持ち手とマチの面のテクスチャーを再現するための工夫だ。表面のゴワッとしたシワの入り方はいかにも革製品といった表情で、タン(=なめし革の色)の塗料で塗装してブラウンのスミ入れ塗料をフワッと乗せるだけでとてもリアルな仕上がりになる。

 説明書には「自由に塗装して下さい」の文字。革製のボストンバッグはもちろん、スーツケースやゴルフバッグだって世の中には多種多様な色とデザインのものがあるから、どんな仕上がりにするかでこのクルマのオーナーの個性を表現できる。自動車のカスタムではなく、そこに積み込む荷物で何を演出するかを考えるのはとても楽しい。

 スーツケースはハンドルやキャスターを塗り分けるとぐっと実在感が増すし、光沢仕上げがよく似合う。反対にゴルフバッグは地味なものからド派手なものまでさまざまなデザインがあり、地色とパイピングのコントラストで遊んだり側面にお気に入りのデカールを貼ってオリジナルな見た目を楽しめる。塗り分けはちょっと難しいところもあるが、リアゲート越しにちらっと覗く程度ならばあまり神経質にならなくてもOKだ。

 「奥行き147cm、幅104cmの荷室にゴルフバッグがふたつ積み込める」というのは新型プレリュードの魅力のひとつ(=言ってみりゃこれは機能そのものというよりも、パーソナルクーペというものを知っている人たちに向けた再提案)としてHondaが大いに推している部分。
 つまるところこの自動車のターゲット層がそこにあるということだろうし、プラモデルを自動車の広告として機能させるのならばHondaにとってもこれ以上ないオマケパーツに違いない。反対に言えば、プレリュード以外の車種に対しても多様な「荷物」のパーツが用意されれば(──あるいは自分で作れば)、さまざまな世代にとっての「自動車のある暮らし」、あるいはそのクルマが持つ時代性を多様なカタチで表現できるはずなのだ。

からぱたのプロフィール

からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。

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