
色ツヤが良く、みずみずしいキュウリとナス。あまりにも野菜だ。
表面を単にツルッとさせたわけではなく、凸凹感に異常なまでのこだわりを感じる。ナスの表面にある意図的な細かなキズや歪み、ヘタの乾いた感じ、キュウリのポコポコした突起は本物の野菜のようだ。

ランナー状態を見た時は思わず笑ってしまった。シンプルなパーツ構成には、面白さと同時に美しさを感じる。完成したプラモに脚がなければ、思わず冷蔵庫に入れてしまいそうだ。全体的なイメージも、真っ直ぐすぎず、曲がりすぎず、誰が見てキュウリだ、ナスだ、とイメージするような平均的な形状になっている気がした。野菜に個体差や品種の違いがあることを考えると、これは非常に難しいことだろう。
キュウリの反り具合、ナスのコロンとした愛らしいフォルムも、二つを並べたときに美しく見えるようバランスを調整しているに違いない。

説明書が付いているが、確認したのは茄子のヘタの向きくらいで、あとは想像通りに難なく組み上がった。そしてこのプラモには「3ミリの穴」が開けてある。はめ込み式のプラモデルにおいて、穴と軸の直径が両方ともに3ミリに統一されているのだ。このため、異なるメーカーのパーツ同士でも組み換えが容易にできる。つまり、手持ちのプラモからパーツを拝借して遊べるというわけだ。
ちなみに精霊馬とは、キュウリとナスで作ったお盆のお供物のことである。キュウリは馬を象徴しており、ご先祖様を早くお迎えしたいという気持ちを表している。ナスは牛を表し、ゆっくりとあの世へ帰ってもらいたいという意味が込められている。

3mm径の穴を活用してキュウリに羽根を取り付けた。翼があればなお速くお迎えできるだろう。キュウリエルと名付けてみた。世界観は台無しである。でも、ここには「極めて真摯に野菜に向き合っているからこそ感じる不思議な面白さ」がある。この夏はひと味違う精霊馬で、ご先祖様をお迎えしてもらいたい。