

この世でいちばん写真で表現するのが難しい色、それは赤。ぼーっと撮影しているとすぐに彩度が限界まで振り切れて(=色飽和)、あとから明るさや色相を調整しようにもかなりどうにもならない。デスティニーガンダムSpec II &ゼウスシルエットの場合はE1,E2ランナーがデスティニーガンダムの赤パーツ、ZBランナーがゼウスシルエットの赤パーツを含んでいて、前者はちょっとだけ濁った血の色、後者はおめでたいパキパキのM100+Y100(この掛け合わせはキンアカと呼ばれる)色です。上の写真を見ても「うーん、言われりゃちょっと違うかもしれないけど、ほとんど見分けがつかんなぁ」って感じ。
もちろん肉眼で見ればその違いはもう少しハッキリするのですが、私は「写真を撮ってプラモデルがフィニッシュする」という考えの持ち主なので、塗料のパワーを借ります。これが今回の、塗る理由。

デスティニーガンダムSpec IIのほうはコバルトバイオレットとマンダリンイエローと同居していても喧嘩しない赤にします。少しだけ黄色に振れていて、白が混ざることでわずかに明度が高い色として「サーモンピンク」です。もともとシャアザクのために作られ、現在もMr.カラー(ラッカー系)にはなく水性ホビーカラーでラインナップされている色です。「水性塗料で発色とか乾燥速度とか塗膜の強度とか大丈夫なん?」と思う人もいるかもしれませんが、いまの水性ホビーカラーは本当に性能が向上しているので、欲しい色があったらどんどん導入したほうがいいです。これはマジ。

で、パッキパキの鮮やかな赤に仕上げたいときに私がファーストチョイスにしているのがNAZCAのフレイムレッドです。こちらは白い顔料がほとんど入っていなくて、ごくわずかに黄色みがかった彩度の高い赤がどんな下地からでもバキボキに発色する恐ろしい塗料です。ワンポイントでもベタ塗りでも、とにかく重宝するのでキャラクターモデラーだけでなくスケールモデラーにも超絶オススメの一本。ゼウスシルエットは純白、ゴールド、そして赤という超めでたい「和のハーモニー」なので、ここは正月だと思って鮮やかな赤を塗りました。

上のパーツがサーモンピンク、下のパーツがフレイムレッドです。明度(白がどれくらい混ざっているか)はもちろん、黄色みの強さも違うのでお互いの色がパーツ状態で見たときよりもハッキリと違うものになりました。今回は本体と追加装備を違うレギュレーションで塗ることを狙っていますが、もちろんMS単体を塗るならどちらか一色だけ選んで統一するもヨシ!

そして組み上げた状態で両者の赤を見比べてみると……確かに違うんですが、やはりまだ両者の差はそこまで大きいとはいえません。フレイムレッド(ゼウスシルエット部)を基準に、デスティニーの赤を明らかに違う色だと(写真で)認識してもらいたければ、サーモンピンクに白をもっと混ぜて「これほとんどピンクですよね!?」という色にしても大丈夫だな……というのが今回の学びです。
とにかく、赤は写真で撮るのがめちゃくちゃ難しい色。展示会は肉眼で見るもんだから平気かと言うと、最近はスマホやデジカメで撮影されることがほとんどですから、やっぱり「赤の塗り分け」をやるならばふたつの色味の差は常に意識したほうがいいな、と思うのでした。そんじゃまた。