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ゼウスシルエット全塗装日誌/黒なのに、すべての色と調和してくれる最強の色、あります。

 デスティニーガンダムのヴォワチュール・リュミエール(光の翼が放出される背中の推進機ね)は、赤と黒の組み合わせが機体全体に大きく影響を与えるユニット。説明書で指示される「ミッドナイトブルー50%+マホガニー35%+ホワイト10%+ココアブラウン5%」って、どんな色ができるか即座に想像できるでしょうか。

 うーむわからん。ミッドナイトブルーは寒色だしマホガニーとココアブラウンは暖色。塗るべきプラスチックパーツの色を見ると……これは黒。誰がなんと言おうが黒。でも光に透かすとほんの少しだけ、言われたらギリギリ気づくレベルで茶色っぽく見えるかもしれません。そこで私がめっちゃ使っているのが「NATOブラック」です。

 上の写真ではランナータグのところに塗られたNATOブラック。ほんとうに不思議な色です。NATO(北大西洋条約機構)で使われる陸戦兵器に塗られる緑/茶色/黒の三色迷彩は誰もがニュースで見たことあるはずですが、あの黒って「少しグレーで、なんか見ようによっては(隣り合う色によっては)緑にも茶色にも感じられる」という不思議なトーン。「誰が見ても黒なのに、100%の真っ黒じゃないし隣り合う色と仲良くしてくれる」ってめっちゃ便利ですよね。

 とくにタミヤのNATOブラックはしっとりとつや消しになり、パーツ表面をハードにサンディング(ヤスリがけ)した状態から塗っても上写真の右のようにキレイに仕上がります。このパーツをぐいっと明るいグレーに持ち上げると、どうしても「デスティニーガンダムらしさ」は損なわれてしまうでしょう。キャラクターモデルに限らず、世の中のプラモデルには黒で色指定されたところがゴマンとあります。そこにほんの少し味付けをしたい、周囲の色と調和させたい……というときに重宝するのが、NATOブラックなのです。

 もちろん黒く見えるパーツに「黒」を塗ることは禁止事項ではありません。しかし、マジの黒を塗るとやっぱりそこだけがどうしても無彩色で重たいカタマリ……というか、孤高の存在で周囲とはいっさいかかわりを持たないように見えてしまうものです。明度ゼロ、彩度ゼロというのは「色の世界の行き止まり」ですから、陰影も乏しく、ただひたすらそこが漆黒に沈んでしまう(黒バックで写真を撮るのもめっちゃ難しくなるしね)。そんなときに黒のつもりで使う、ほとんど黒だけど誰とでも仲良くしてくれる万能な選手としてNATOブラックを打線に入れておくと、「わざわざ塗装した意味」がグッと出てきます。そんじゃ、また。

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からぱたのプロフィール

からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。

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