

ごめんちょっと盛った。200色あるかどうかは置いといて、模型用塗料の「白」もしくは「白に見える色」って、ここ20年くらいで信じられないくらい増えました。なぜかといえば、白とひとくちに言ってもその微妙な明るさや色調の違いが、じつはプラモデル全体の印象に大きく影響する……ということがユーザーやメディアによって広く共有されるようになったからだと言えましょう。
さて、デスティニーガンダムSpec II &ゼウスシルエットの塗装にオレが選んだふたつの白です。
デスティニーSpec IIの本体外装色は説明書に「ライトグレー」(ホワイト75%、グレー15%、コバルトブルー10%)という塗装指示が記載されています。私の今回の塗装コンセプトは「ゼウスシルエットの純白の装甲との対比はほしいけど、デスティニー単体の派手さもほしい!」なので、赤青黄色を引き立ててくれる明るさを限界まで求めたい。グレーと言えるギリギリの白で、少しだけ寒色(青み)に振れた塗料は……ある!

NAZCAのスチールホワイトは、先述した「グレーと言えるギリギリの白で、少しだけ寒色(青み)に振れた色」です。さらに発色がとてもよく、光沢仕上げになるのでスミ入れがキレイに拭き取れ、デカールのシルバリング(ザラザラの表面に貼って透明なニスが白く浮いてしまう現象)も防げます。
NAZCAはガイアノーツとプロモデラーのNAOKI氏のコラボブランドという理解をしていますが、締切に追われるプロモデラーが求める塗料は「一撃で発色して(=隠蔽力が高くて)乾燥も速くて塗膜が強いヤツ」です。さらに日々発表する作例には定番の塗料とは少し違う雰囲気をまとわせ、ルックとして「なんか個性がある!」と感じてもらうこともすごく大事。そんな要望を満たした塗料が普通に店頭で売られているのがNAZCAブランドなのです。

ゼウスシルエットのホワイトは本体との差異(=追加武装感)を出すために混じり気の一切ない純白で塗りたい。そんなとき、現状もっとも使い勝手が良いと感じているのはMr.カラーGGXホワイトです。匂いが少なく発色、隠蔽力、平滑度(=ツヤ感)どれをとっても従来のMr.カラーとは一線を画す性能を持っていますが、専用の溶剤が必要なのと、薄め具合がややシビアなのが導入のハードルと言えましょう。しかしそれを補って余りある、革命的な塗料です。GGXの性能については以下の記事に詳細をまとめたのでぜひ読んでください。

NAZCAのスチールホワイトは、ビンの中に入った状態ではやや濁ったグレーに見えますが、実際に吹き付けてパーツ単体で見るとほとんど白に見えます。しかし純白のGGXホワイトで塗ったパーツと比較すると、これだけの明度差があります。しかもただのグレーではなく、やっぱり少しだけ青みがかっているので「人間が白だと感じるレンジ」がかなり広いことを思い知らされます。

実際にデスティニー本体とゼウスシルエットを組み合わせた状態で観察すると、確実にトーンの違うふたつのホワイトがハーモニーを奏でます。いまや模型用塗料はあらゆるニーズに応え、昔では考えられなかったような微妙な色調がほんとうにたくさんラインナップされるようになりました。さらに色というのは単体で評価できるものではなく、組み合わせによって大きく印象が変わるものです。白やグレーといったシンプルな呼称で塗装指示があっても、模型店の塗料の店をじっくりと観察することで、あなただけのニュアンスを込めたガンプラが作れる時代、まことに豊かであるなぁと思うわけです。そんじゃ、また。