

頭文字がFのファイター……つまり戦闘機は花形。素早く旋回し、より速く飛ぶためのデザインが導く流麗なシルエットや切れ味鋭い翼が見た目にも美しさすら漂わせています。いっぽう頭文字Aのアタッカー(=攻撃機)は対地攻撃を専門としつつその姿はさまざまで、長時間滞空して地上にガトリング砲を撃ちまくるためのA-10、攻撃機ながら小型軽量でひらひらと飛び回るA-4など、こちらもディープな世界が広がっています。

そして今回登場するのは……ま、丸い。Iron Tadpole(鉄のオタマジャクシ)とか、Drumstick(ドラムスティックと言っても、鶏のもも肉です!)なんて呼ばれた、見るからに機首が丸く特徴的なA-6 イントルーダーです。パッケージでもその機首形状がこれでもかと強調されています。また翼下にたくさんの爆弾を積んでいて、地上攻撃のプロフェッショナルであるということをバッチリ示しています。

組み立て説明図にも少しだけ解説があり、全天候型艦上攻撃機で、亜音速低空爆撃を目的に……あっさりと大事なことが書いてあります。現在ではほとんどの航空機が「全天候型」ですが、A-6登場時の1962年にはものすごいことでした。夜間でも、雲の中でも、パイロットの視界に頼らずに飛行し作戦を実行でき、さらに艦上攻撃機なので「空母で運用できる」ということになります(艦載機らしく、A-6も翼を折り畳むギミックが搭載されています)。じつは製造元がグラマンということで、脚はF-14 トムキャットにも似ているとか。亜音速低空爆撃はこれまたこの機体の大事な要件で、最高スピードは音速ちょい手前の1000㎞/h台。夜間にすごい速度で低空を地面にぶつからないように飛ぶために、地形を読み取るためのレーダーを備えています。

爆弾、たくさん積めますの図。精密誘導爆弾がまだまだ未発達のこのころに、A-6は本体側で精密に爆撃できるように開発されました。パッケージのような素の爆弾でも、狙った場所に放り込むことができるわけです。

パイロットアニキたち。ランナーに配置された姿と同じように、仲良く横並びに座って飛ぶ……前後に並ぶより意思疎通しやすいということでしょうか? 飛んでいた人の話を読むと、コ・パイロットはラリーカーにおけるナビゲーターのごとく、地形を読んでパイロットに伝えていたそうです。

このぎゅうぎゅうした胴体と、そこからくびれて伸びるテール部分。歴戦のランナーに光るこのA-6のシルエット。

キャノピーが左右に分割されている! 大きいクリアパーツで一発で処理するより、てっぺんのフレームで左右分けようという潔い姿勢。風防から機首につながるラインがステキ。

もはや実機より長い稼働歴となる金型だけに、ちょっとくたびれているところはあります。実機も1960年に初飛行してから1963年に導入され、海兵隊では1993年まで、海軍では1997年まで頑張った機体です。ギュッと閉じ合わせて、流し込み接着剤でガッチリいきましょう。

フライドチキン的スタイル……。こう見えて面白いのは、A-4スカイホークと同じエンジンを両脇にふたつ抱えていることなんですよ。かたや軽快、こちら重厚。

翼をつけて、いよいよ完成。翼の絶妙な長さ。じつはこの機体、主翼にエルロンを持たず、スポイラーで旋回します。翼の端のほうで上下に展開して旋回します。着艦のときは翼の前後のフラップもあわせて全体でブレーキをかけるので、その姿もまたカッコイイんですよね。

そもそもなんで急にA-6を作りたくなったのか。それは先日ふと酒場で「空母と艦上機、いいよね……」という話になって、A-4やA-7といっしょに並ぶ、このビジュアルを思い出したからなんです。改めて組んでみると、機首のすごいインパクトだけでなく、すらっと長く伸びる翼やエンジンの佇まい、大きなエアブレーキなど、見どころいっぱい。コレクションの中にA-6イントルーダーを置くだけで、圧倒的ビジュアルが彩りを加えること間違いなしです!