最新記事やプラモデル情報を毎日お届け!
follow on Xをフォロー!

北欧でも活躍した究極の複葉戦闘機/ICM 1:72 フィンランド空軍 チャイカ 冬季仕様 レビュー!

 フィンランドの戦いを綴った『北欧空戦史』に発熱中の自分。各国の飛行機が北欧に集結するなか「あのI-153 チャイカである」と作中で特筆されているので調べてみると、究極の複葉戦闘機という、なんともマッチョな肩書きが目についた。
 で、欲しくなるのが究極の複葉戦闘機プラモ。ウクライナのメーカーであるICMが豊富な仕様でキット化しているのを知り、模型屋のお母さんに「I-153チャイカというソ連の複葉機がソリ履いているヤツがあって、そのフィンランド空軍仕様が欲しい」と早口でお願いし、メーカー取寄せしてもらった。私のヒコーキ模型メガネも随分と見えてくるようになったものだと、この一件だけでも思わず自画自賛!

 初手から操縦席のフレームを組むという、ちょっと構えてしまう工程ではじまるけれども「粘度の高いタミヤセメント(白い蓋)」と「さらさらのタミヤセメント 流し込みタイプ 速乾」があれば難なく組めた。1/72スケールの複葉機となると単葉機よりも小柄になるのでパーツがコンパクトかつ細かい。それでも微小ながらノリシロが彫刻されていて位置はしっかりキマるし、接着後の強度もそれなりにあるナイスキット。「海外プラモっとムズいんでしょ?」という印象は皆無だ。

 北欧で活躍したヒコーキには曇り空がよく似合う。機体自体はこの一枚のランナーで完結してしまう嬉しいカジュアルさ。チャイカ(かもめ)の愛称の元となるガルウィングがしっかりガルッており、紅の豚のカーチス飛行艇を彷彿させてくれて大変キャッチー。「複葉機なのに引き込み脚」という究極の複葉機と呼ばれた所以も再現できる。

 ただ今回はこの追加スキーパーツを履かせて冬季仕様にしたい! ソリの固定脚で運動性能が低下してしまい究極性は損なわれるのだが、雪上や凍った湖を離着陸する姿に思いを馳せたい! 北欧空戦史!

 デカールはオリジナルのソ連仕様と、鹵獲したフィンランド仕様が選べ、どちらの塗装指示も用意されている。そしてフィンランド空軍の識別マーク「幸運の青いハカリスティ」が見事にバラバラ。ハセガワのフィンランド空軍セットではまんまだったのに……。欧州におけるハーケンクロイツ(とそれに類する記号)に対するセンシティブさを想像できる。

 フィンランドに往訪して中央航空博物館をはじめ、名所を巡った友人の話によると現地では「ドイツのアレとは違うから! ウチはアレよりもっと前から使っているんだから!」と、いたる所に掲示されているとのこと。「フィンランドはマジで可愛そう」案件のひとつである。誤解を晴らすべく… みんな! 北欧空戦史を読もう!

 日本のキットとは違うイデオロギーを持っていると感じたパーツはこのプロペラ軸である。日本のキットのようにポリキャップでヌポッと後刺しするタイプではない。軸を接着しないでプロペラ回せるようにしている。回せるのは良いけど、実機のシャフト径を参照しているのか細くてスゴく不安。でも…

 エアーダスターを吹き付けるとプロペラがグルングルンと回転! まさにヒコーキの模型! 1/72スケールに縮小されても形態が機能している!組んで塗装してもこんだけ回るという、なんとも立派なイデオロギーだ。ICMはプロペラを回したいのである。1/48や1/32のチャイカも気になるじゃないか。その際には引き込み脚をたたんで組んで、究極の複葉戦闘機が空を駆ける姿を味わいたい。


関連記事