箱を開けた瞬間、武骨でゴロンとした飛行機模型のパーツが飛び出してくる……それが「タミヤ 1/48 傑作機シリーズ No.94 イギリス空軍 ブリュースター B-339 バッファロー 太平洋戦線」です。
このキットはタミヤの1/48 傑作機シリーズのN0.8として登場した超レジェンドプラモ。初出はなんと1974年です。その後、バリエーションキットを展開しながらちょこちょことアップデートされてきました。このB-339バッファローのキットでは、米軍機仕様の他に輸出仕様のコクピットやキャノピー、胴体尾部のパーツが追加されています。
初出のキットは、1/48スケールで世界で初めてバッファローをプラモ化した物。それなのに、パーツからはそんな雰囲気が1mmも感じないほど、シャキッとした模型となっています。つまりアニキなプラモなのです。
バッファローは、アメリカでF2Aという名で運用された艦上戦闘機。第二次世界大戦初期に深刻な航空機不足に悩んだイギリスに輸出され「バッファロー」と名付けられます。この名が逆輸入される形で親しまれるようになります。イギリスはこの飛行機を日本との緊張感が高まっていた東南アジア地域に送り、日本軍に対する守りを固めたのです。
そんな話を知ると、No.8という初期アイテムになるのも納得です。タミヤが1973年に発売した零戦二一型のプラモと並べることができるのですから。
太平洋戦争で日本軍相手に圧倒されてしまったバッファローですが、北欧のフィンランドではこの飛行機が伝説的活躍をします。第二次世界大戦中の1941年6月25日から1944年9月19日にかけて、ソビエト連邦とフィンランドの間で戦われた戦争、継続戦争で多くのエースパイロットが生まれます。「北欧空戦史」とかを読んでみると、『トップガン』を観てスーパーホーネットやトムキャットの形を追いたくなるように、バッファローの形を手に取りたくなると思います。そんな時に、タミヤのバッファローなら「早くてうまい!!」を体感できます。
シュッとしているだけでなく、ムチムチボディな飛行機もかっこいいのよってこのプラモを組むと思います。そして誕生からかなりの年月が経っていても古臭さを感じないこのプラモの魅力に、まだまだ面白いプラモは世の中にあるんだと気づかされるのでした。プラモって本当に最高ですね!!
1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)