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憧れのアクロバットチームの「ちょっとだけ違う機体」をプラモデルで楽しむ。ファインモールド 1/72 アメリカ空軍 F-4E 戦闘機 サンダーバーズ

 ファインモールドのWebサイトにはありがたいことに、カラーの機体紹介がけっこうあります。米空軍のアクロバットチームであるサンダーバーズのF-4Eも、8番機までしっかり紹介しているのですが……4番機。ナニコレ? 垂直尾翼が黒いよね……。一部が黒いと、喪章とかそういうものを想像してしまいますが、この機体だけで、違います。こういう「なにこれ」っていうところがあったら、プラモの楽しい時間のはじまりです。その解答は……完成品を眺めながらしましょうか。

 F-4はふたつのエンジンが生み出す強いパワーと、動翼の配置が起こす種々の影響をもって、その機動はよくじゃじゃ馬と形容されます。そんなじゃじゃ馬をアメリカでは空軍も海軍もアクロバットチームの機体として一時期採用していたということが、このF-4のひとつの伝説として、そしてそれぞれのチームの伝説としても語り草になっています。このF-4Eは、アメリカ空軍のアクロバットチーム「サンダーバーズ」です。

 キットは色やマーキングだけでなく、こんなところにもアクロバットチーム仕様が。E型って機銃を搭載するためにノーズが伸びたんですが、使わない。でも海軍のブルーエンジェルスはノーズが短いので、ここがいかにも空軍と海軍の差、個性が見える部分です。それにしても組み立て説明図のフォロー力がすごい。

 パイロットフィギュアも付属しています。サンダーバーズのパイロットはヘルメットの塗装が特別で、そのためのデカールも付属しています。

 成形色は白なので塗らずに作ってもOK!! 良い白してますよ。

 デカールの定着を狙うなら、本体を一気に白一色で塗っても良いでしょう。全体に白を塗るだけなので、そんなに手間はかかりません。

 デカールは白とメタリック以外はフォローしています。破かないように先の丸いピンセットを使います。さらによりデカールを密着させるために、マークセッターやソフターを用意して、じっくり挑んでいきましょう。

 ノーズの曲面に合わせるところや、機体底面の大きな鳥は頑張りどころですが、密着はなかなか大変。ある程度で割り切って貼った後に、Mr.カラー326番ブルーFS15044などズバリの色でリタッチでいきましょう。それだけで問題なく綺麗に仕上がります。赤も3番のレッドでタッチアップしたりしています。

 私は知った……。真上をアクロバットチームが飛行するとき、我々は機体の底面をめっちゃ見るということを……。F-16でも鳥の意匠は底面にあります。F-4でも底面にあります。模型的には底面が一番隠れる場所ですが……。

 さて、通常のサンダーバーズ仕様ならこれが完成です。あとは好みの番号を垂直尾翼に貼ればいいだけなんですが、今回はもう一個作業を追加しますよ。

 うわぁああ! 塗り分けた垂直尾翼を黒くして、さらにデカールを貼って、ツヤを消して……。汚しもそうなんですがキレイにしたあとで台無しにするの、ちょっと楽しいですよね。

 さあ、垂直尾翼を黒く塗ったものを搭載して、ついに完成です! で、なんで垂直尾翼が黒いのかといえば、アクロバットチームは密集して飛ぶ……というのがその理由です。なんと、ひし形に密集して飛ぶと、1号機の下に位置する4号機の垂直尾翼は1号機のエンジンから出てきた煤で黒く汚れてしまうそうで(F-4Eになるときに、「煤が出すぎだ」と言われてエンジンを変えたのに!)、ならあらかじめ黒く塗っておく、という対策だったんですね。それって艦船の煙突や後楼が黒いのと同じ理由ですね。なるほど! 

 サンダーバーズで運用されるF-16の”逆さまナンバー”、5番機などもそうですが、こういうちょっと違う機体こそ自分で作るといっそう思い入れができるというものです。F-4もさすが5000機も生産されただけに、それぞれの機体にたくさんのドラマがあるわけで……。ファインモールドのF-4にもたくさんのバリエーションがありますから、それぞれのキットでこうしたドラマに出会えるでしょう。私も4番機のドラマに出会って、サンダーバーズやF-4Eに少しだけ近づいたような気がします。

けんたろうのプロフィール

けんたろう

各模型誌で笑顔を振りまくフォトジェニックライター。どんな模型もするする食べちゃうやんちゃなお兄さんで、工具&マテリアルにも詳しい。コメダ珈琲が大好き。

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