

ついに発売されたバンダイスピリッツの「RG 1/144 RX-78-2 ガンダム Ver.2.0」をゲットしたのでハコを開けてじっくりと中身を楽しんでいるのですが、かく言う自分も実際に手に取るまで気づかなかった「そっちの方向に進化するのか!」というポイントがいくつかあったので今日のうちに書いておきます。
ひとつはガンダムらしさを構成するプラスチックの色。14年前、RG(リアルグレード)の1作目で表現されたRX-78-2ガンダムは赤と青をちょっとだけくすんだ色にして「大人っぽさ」や「高級感」の演出をしているように感じていたんですけど、今回の「2.0」は気持ちいいほど彩度の高い赤と青なんですよね。ほんの少し赤みに振った鮮やかな黄色と濁りのないバキッとした白も相まって、とにかく衒いがない。ガンダムって本当に散々プラモデルになってきてるのに、こんなにストレートな三原色+純白の組み合わせはなかったように思います。すっごくキレイ。このキレイなランナーがハコの一番上に鎮座していることが、開けた瞬間に嬉しい。

そんでもって、シリーズ初期のRGにおける代名詞であった「切り離すだけで可動機構が出来上がっちゃってますよ」というアドバンスドMSジョイントは撤廃(別売りの「RG 1/144 RX-78-2 ガンダム Ver.2.0用武器セット」ではガンダムハンマーのチェーン部分に採用)。技術的なデモンストレーションとしてのアドバンスドMSジョイントがユーザーにとって目新しく驚異的なものから「実際にコンペティティブな作り方をしようとするとむしろ邪魔なんでは(あるいは長く遊ぶには向いていないのでは)」という受容のされかたになったのを受けてか、可動機構も含め、ユーザーがフレームを組んで外装を取り付ける設計になっています。フレームになるパーツに入れられたディテールはものすごく緻密で、多色&多層構造になっているため全身骨格模型状態でもかなり見栄えがします。

箱に入っている説明書はフレームを組んでから外装を取り付け、次のユニットのフレームを組んでから外装を取り付け……という順番で工程が進んでいくので、「フレームのままでも見栄えがする」というのはあくまで商品PRのための写真で眺めるか、完成後にわざわざ外装を剥く必要がある……と思っていたのですが、説明書のど真ん中の見開きカラーページで度肝を抜かれます。印刷されたQRコードをスマホなどで読み取ると、バンダイスピリッツWEB取説ページ内にあるテクニカルガイドが表示され、「全身のフレームを組んでから外装を取り付けていく組み立て方法」が記載されているのです。ひとつのプラモデルをふたつの説明書で違う味わいにするの、めっちゃエラい。これって、マスターグレード環境以降においてある意味「リアルさを示す記号」と化していたガンプラのフレーム構造に、もういちど意味をもたせ、夢を見てもらいたいという試みに思えます。

テクニカルガイドには完成後に施すと嬉しいスミ入れのやり方や、ウェザリング(汚し塗装)の方法、カッコいいポージングのコツなども仔細に書かれていて、説明書のとおりに組み上げるだけでもカッコいい本アイテムをより深く楽しめるような仕掛けが用意されています。オフラインとオンラインで重層的にプロダクトの価値を高めるの、とてもカロリーがかかっていて「最新のガンプラを味わっているな!」という嬉しみがありますね。

細分化したパーツで可動ギミックを執拗なまでに追い求める方向性ではなく、「動くべきところと、動かなくても動きそうに見せるところ」をしっかりと嗅ぎ分けた設計になっているのも本アイテムの特長。カチッとカッコいい形に固定された開き手と握り手、必要最小限の指が動く武器持ち手、ダクトのフィンが周囲の枠と一体化した胸の黄色いパーツなどは組むスピードや小パーツの扱いの面でユーザーのストレスを軽減させています。外装も細かく分割した装甲板の微妙な色調の差で情報量を増やすのではなく、要所要所にある開口部から中メカがちらっと見える演出によって、パーツ数を抑え気味にしながらリッチな見た目を実現しています。

関節にある丸モールドも肘、膝、足首でほぼ共通した外観に揃えるなど「お、リアル」と思えるところもけっこう出てきます。顔の頬あての角度が下すぼまりなのと、腕がほんの少し短く感じられるのが(完全に個人の好みの問題で)不満といえば不満ですが、世の中には信じられないくらいRX-78-2ガンダムのプラモデルがありますからね。好きなパーツを組み合わせて「私の思うガンダム」を作るのも難しくはありません。
なにより、「RGシリーズって延々続いているけど、リアルってなんだっけ」「同じフォーマットで形状が変わってVer.2.0になったのか〜」みたいなことを考えていた自分にとって、このプロダクトの佇まいは組む前からけっこうドキドキさせられるものでした。バンダイスピリッツはちゃんとアップデートしてるし、これを組むと自分もアップデートさせられそう。「よく動く」「細かい」「色分けがスゴい」はあたりまえになったガンプラの、最先端のスタイルをみなさんもぜひご堪能ください。パーツを見るだけでも、プラモデルはしっかり語れるのですから。