

カトキハジメ著『GUNDAM FIX』に収録されたガンダムエピオンのイラストが好きだ。TOYらしく夢・クリエイションな変形をするガンダムエピオン。それをいかにも実在感のあるロービジ(low visibility・低視認)戦闘機に見せる。その強引さに痺れるのだ。なぜそう見えるのか、考えることさえ楽しい。
そしていよいよ、私もこのフォトリアルをプラモデルに押し付ける時が来た。先日、RGガンダムエピオンを組み上げたのだ。すると本棚に仕舞ってあった、読後に「すげえ!」と驚嘆しつつも実際にはチャレンジをしてこなかった、飛行機模型専門誌『スケールアヴィエーション』(以下スケビ)のウェザリング特集が輝きだした!THE TIME HAS COME!

スケビはこれまで多くの、(なんとも逆説的だが!)魅力的で見栄えのするロービジ・ウェザリング塗装の方法論を展開してきた。その誌面はとにかく親切。ウェザリングのスペシャリスト達が、見やすい写真とキャプションでその手腕を余すことなく開示してくれる。以下に示したDVD付録号では、感覚的な技法のニュアンスまで伝わってくる。そんな中、「やってみたい!」と思っていた技法があった。カナダのモデラー、クリス・ジーバーによる「アクリルインキング」だ。ある方法でリキテックスリキッドを戦闘機プラモのボディに定着させているのだが、動画を見ると実に楽しそう。そして楽しかった。

スケビが教えてくれたこと。ロービジ機体をウェザリングによって「化粧」すること。その化粧で重要なのは、テクスチャー、ざっくり言えば大なり小なりの「まだら模様」をどう理解し、コントロールするかだ。塗装、日焼け、補修痕、オイル汚れ、塩害などなど……によってできる模様を、塗装とウェザリングをミルフィーユ状に重ねながら再現、時には誇張をする。そのためには、ウェザリングを施す意図、その箇所と大きさ、色づかいと濃淡、重ねる順番と使用するマテリアルによって無限の表現方法がある……!という内容を、スケビはひとつずつ解きほぐしてくれていた。その中でもクリスの技法は、「とにかく手を動かすだけで、結構いい感じになるよ!」という軽快さがあった。

まだら模様ができたら、下地の模様を完全に塗りつぶさないようにエアブラシで薄く色を重ねる工程。なのだけれど、ここ最近は家族が寝ている時間しか模型の時間がとれず、家でコンプレッサーを動かす事ができない……ので、ドライブラシ(塗料を少しずつ擦りつける技法)で代替することにした。選択した塗料はシタデルカラーの「メカニカススタンダードグレイ」。ちょっと濃かったかもしれない……。が、諦めて今度はその上から再度ウォッシング。他の戦闘機プラモで使わなかったデカールを貼りつけ、フィニッシュ。作例の様には上手くいかなかったが、だいぶ手応えを掴んだ気がする。

後日、夕方のマジックアワーに屋外で写真を撮ってみた。この時間に撮る模型は5割増しでカッコよく見える。翼の端っこを手で持って、夕暮れが反射した車のフロントガラスの上でシャッターを切る。青とオレンジの曖昧な景色、ロービジ塗装でカモフラージュされて曖昧になったガンプラ感。それらが溶け合って、現実と空想が曖昧になったところで、私の目的はイイ感じに達成されたのでした。