僕の小学生時代、平成ガンダムシリーズ初期はまさに御馳走でした。毎週リアルタイムでガンダムという作品を浴び、コミックボンボンやTV CMで見た新商品を近所の玩具屋さんに走って買いに行く。『Gガンダム』、『ガンダムW』、『ガンダムX』という3作品の連なりは、子供の僕に『ガンダム』を見て、プラモを買って、作るという極当たり前だけどプラモを純粋に楽しむことができる所作を教えてくれた気がします。
そして今月のHJは平成ガンダムシリーズの中でも人気トップクラスの作品『新機動戦記ガンダムW』を特集。
特集のメインはTV放送版の『ガンダムW』。OVAや劇場版、コミカライズなど様々なメディアで展開されているのも本作の特徴です。それだけ人気ってことです。放送から25年経ってもこうやって特集されるんですからね。
キャラクター性の部分が抽出されることが多く、なんだか食わず嫌いな人も産んでいる作品ですが、物語の展開やかっこいい台詞回しによりこのガンダムめっちゃ面白いじゃん!ってなること間違いなしなので、まずアニメを見てください。HJの作品解説はその後に読むのをオススメします。特にモデラーにとっては、バンダイより後に発売されたマスターグレード(以下MG)の「EW版」の登場により、「あれとこれって何が違うんです?どれに出てきたの?」と聞かれたり話したりすることが増えるくらいちょいと複雑な感じになったと思います(EW版の解説も本誌にあるのでじっくり読んでください)。だからこそまずはTV本編を見てベースを作ってください。それができればもう安心。どの世界のガンダムWにも行けると思います。
特集はTV版と謳いながらも、OVAや劇場版、コミカライズの解説もあります。個人的には特集タイトル通りのTV版の掘り下げをもっと読みたい!となりましたが、ガンダムWの様々なメディア展開を読者が頭の中で整理するのに役に立つと思います。ガンダムWを未見の状態で読むとゼロシステムで未来を見せられている感じになると思いますので、年末年始に一気にガンダムWを見てから読んでみましょう。
特集のメインはTV版をイメージしたウイングガンダムゼロとガンダムエピオンの作例。MGでは「ウイングガンダムプロトゼロ EW」というガンプラがありまして、それが一見TV版?と見えるものなのですが全くの別物。純粋にTV版のウイングガンダムゼロとしてMGではキット化されておらず、ならば作ってしまおう!というのがこの作例です。ガンダムエピオンも同様に「EW」としてキット化されているものにテレビ版のイメージを盛り込んだ物となっています。
MGベースの作例だけでなく、1/144スケール「HGAC」の作例もあります。ヴァイエイト&メリクリウスや、全国のモデラーが参加したマグアナック隊企画などが展開されています。
ちょうど年末年始でお時間が取れる時ですから、ガンダムWを一気見するには本当に良いチャンス。ぜひHJと合わせて楽しんでください。
そしてもうひとつの特別付録「ガンプラアーカイブ 2020-2021」。こちらはオールカラー100ページ。今年出たガンプラと、今年のHJの特集内容がダイジェストで掲載されています。ガンプラとHJの2020年を振り返りです。
HJの振り返り部分は特集内容やその時のガンプラの時事ネタなどがまとまっています。今年のHJもたくさんのガンプラが表紙を飾りましたね〜。ガンプラは、本誌に掲載された新商品ページを再編集。店頭発売アイテムとプレミアムバンダイ発売アイテムを分かりやすいように分けた構成になっています。寝る前などにパラパラ読むのに最適な読み物です。
大ボリュームのガンプラ特集で2020年を締めくくるHJ。ガンダムWを未見の人はこの機会にぜひ!じっくり今年のガンプラを振り返りたい人にもぜひ!との内容になっていますよ!それでは、アディオス!!
1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)