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【レビュー】こいつはだいぶヘビーなプラモデルだ!/アオシマの「新デロリアン」を組む心構えの話。

 アオシマが’80年代から売りまくってきたプラモデルと言えば映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズのデロリアンですよ。Part I仕様からPart III仕様まで、もう数え切れないほど何度も再販されてきたこのマシンが完全に新規の金型でリニューアルする。もうどう考えても「精密で、出来が良い!」ということが約束されているじゃないですか。高知の自動車博物館でレプリカを撮影してきたところなので、だいぶテンション高い私です。

 んで、ハコを開けたら実際スゴい。大量のパーツがどんどん湧いてくるような感覚に襲われます。細い、小さい、緻密の連打。最初に言っちゃいますね。これ、ガンプラで言うところのパーフェクトグレードみたいなもんで、とんでもないパーツ数でほぼカンペキに劇中車を再現しようというプラモデルです。「週末気軽にデロリアンのプラモデルでも作っちゃうか〜!」というライトなモチベーションではたぶんゴールできない!でも楽しい!

 もうね、「そこまでやるか!」の嵐なんですよ。しかし現代のプラモデルですからね。「うわ、これパーツ合わないよどうしよう……」なんてところはありません。よく切れるニッパー、ピンセット、接着剤があればどしどし組めます。塗装指示も入っていますけど、塗りたい人は塗る、塗るのはちょっと……という人は塗らんでもいいんじゃないかな。決してカラフルなパーツ分けじゃありませんが、薄いグレーから真っ黒まで、4つのトーンをパーツごとに使い分けて案外リッチな雰囲気が味わえます。

 ボディ形状はもう言うことナシの最高案件。タネ車であるデロリアン・DMC-12のプラモデルもバリエーションとして発売予定ということで、おそらくこれは映画に登場したタイムマシンと実在する乗用車としての設計も同時並行で進められたんだろうな、という正確なプロポーションになっています。そうそう、ガルウイングのドアは別体になっていて完成後も開閉可能です。

 ボディをステンレス剥き出しっぽく塗るには職人技が必要かもしれませんが、まあこのままでも遠目に見たら銀だし、スプレーでガバーっとシルバーにしてしまっても大丈夫。とにかくですね、あなたのスキルとかモチベーションに合わせて「ここはやりたいな」「ここは目を瞑ってもいいな」というのをしっかり見極めることをマジでオススメします。あなたのプラモデルですから、「今回はここまでできればOK!」のラインはあなたが決めるのです……。

 組み始めて「幸せ!」と思ったのはこの配線類ね。すごく細いパーツなんだけど、どれも自然な曲がり具合とお互いがねじれて絡み合う様子がものすごくうまく表現されています。さらにこれをしかるべき位置に持っていくとピタッと合うのにはだいぶ感動します。デロリアンの実感が「あらゆるところにあとから付け足された機器類や配線」だとすれば、このプラモデルはその過程を存分に味わえる精度とパーツの充実ぶりをちゃんと両立しています。エラい!

 キャビンを組んでまずは記念写真。複数のグレートーンと黒のコントラストがけっこういい感じ。デカールを貼るだけでも良し、部分的に色を入れるでもよし、プラモデルは完走するだけで精一杯かも……という人ならストレートに貼るだけでも良し。だいぶロングディスタンスのレースになりそうですから、自分のペースを見極めて、楽しい景色を見られる速度で走りましょう。誰かに見せるためじゃない。これはオレの(あなたの)プラモデルなんだ!

 いきなり「カンペキな完成品」が手に入らなくても大丈夫。このプラモデルはきっと、これまで再販を重ねられてきたデロリアンと同じように、これからもずっと大人気のプラモデルとしてあなたの再チャレンジを棚でずっと待っていてくれるはずです。そこかしこに散りばめられた「映画で見たあのカタチ」を確かめるだけでも、すっごく楽しいということをぜひ味わってください。

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からぱたのプロフィール

からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。

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