

ミッキーマウスくらいのアニキになりますと、もちろん太古の昔にプラモデルになったこともあるかもしれませんけれども、令和の世にこうして堂々と「色分け済みスナップフィット仕様」という王道の出で立ちで分割されていると私はだいぶ興奮します。相手が巨大な戦艦であれ、豪速のレーシングカーであれ、ミッキーマウスであれ平等にパーツとなってランナーに収まり、模型店で「どれにしようかな」と選ばれるところにプラモデルの奇妙な楽しさがあり、しかも上に挙げた例をすべて製品化しているアオシマ、だいぶすごい。

先日発売された『トイ・ストーリー』のエイリアンたち同様、ミッキー単体/ミニー単体/ミッキー&ミニーのセットで製品化されたトコトコシリーズのふたりでございますが、みなさんはミッキーとミニーだったらどっちを先に組みますか。オレはミッキーだと思う。説明書がミッキーから始まるから……とかそういうことじゃなくて、ここにはジェンダーの問題が……別にないけど。ということでミッキーから組みます。

近日諸事情でディズニーリゾートデビューが確約されている息子マン(プラモデルの対象年齢8歳に対しわずかに1.5才の若輩者)もこの色彩と形態には抗えない。何でしょうね。私はプラモデル作っている姿を子どもに見せたことがないのですが、ランナーと見ればビニール袋を引きちぎり、パーツと見ればもぎ取ってそのへんをウロウロする。ゲノムのお導きでしょうか。

こどもが刃物にふれたり余ったランナーを食べたりしないよう適度に牽制しながら全集中で数分経過するとこのようにミッキーが顕現し、「キミ、眉毛なかったっけ」みたいなことを思いながらその可愛さにビビり倒します。ちょっと若めに描かれたミッキーマウス(ぷりっこもーどとかめっちゃカワイイよな!)の等身で、各部のデフォルメもだいぶ巧み。トコトコ歩くというギミックの制約を全然感じさせない造形ヂカラがあります。

さてミニーも同じくらいの時間でイケるだろ……と思ったらミニーってすごいのな。まずズボンだけのミッキーさんと違ってワンピースを着てらっしゃるし、ちょうちん袖〜腕〜手袋の構造とか、下から見えるドロワーズとか、ミッキーに対して工数がだいぶ増えます。「頭部〜胴体が前後それぞれワンパーツだったミッキーと比べるとミニーさんやたらパーツ多いな……」という第一印象は間違っていないなかった。

お二人を載せるクルマも組み上げて接続すれば仲良くトコトコ歩くオモチャが完成。息子はスロープをえっちらおっちら歩く姿を見て「デヘヘー!」と言いながら道半ばで確実にむんずと掴み分解しようと試みていますが、おそらくディズニーリゾートに行ったら生まれて初めて「うわー!模型にそっくりだ!」というオドロキを体験することになるのでしょう。みなさんもミッキーとミニーを組んで、ミニーの工数にビビってください。まつげのシールとか貼ってると「女の子って大変なんだな!」と、妙な感慨を抱くはずです。