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「高さ75cmまで伸びるクレーン車のプラモデル」は、すべての人に驚異のギミックを届ける!

 ガンプラがここまで人気になったのは、縦に長いからなんじゃないか……というのが持論です。戦車や飛行機やフネと同じ面積で、たくさん置ける。狭い日本、縦に長いプラモデルのほうが絶対住宅事情に合うよね……というのは半分冗談(半分本気)ですが、クレーン車なんてもう狭い面積でどれだけ踏ん張ってどれだけ高いところに荷物を吊り上げるかっちゅうメカじゃないですか。流行るぞこれは。高さ最大75cm。旋回伸縮の可動ギミックも完備。そしてパッケージ側面には塗装に必要な21色の塗料が示されています。しかーし!

 クレーンのブーム部分の組み立て指示を見てビビった。燦然と輝く「塗装しないでください」の文字。この部分は黒いパーツなのですが、各段が実に微妙なクリアランスでスライドしながら伸びる機構となっているため、多分塗装すると塗料の厚みでお互いが擦れ、スムーズな動きが妨げられたり塗装が剥げちゃったりするんでしょうね。長らくスケールモデルをメインに実力を発揮してきたハセガワのプラモデルで「塗装しない」ということがオフィシャルに示されるのは結構衝撃的です。プラモデルのすべての面を塗料で覆わないと気がすまない人からすると、ギョッとするんじゃないかな。

 フルカラーの塗装図はもちろん入ってるんだけど、主要なカラーリングはプラスチックパーツの色ですでに再現済み。塗装しなくてもだいぶ本物らしさが出そうです。気になる場合は細かいライトをはじめ、「パーツを細分化するとしんどいところ」を部分塗装すればだいぶそれらしい雰囲気になるし、同社の重機プラモデルではこれまでデカールを貼って再現することになっていた(そして超難しかった!)窓の周囲の黒い部分も塗装用のマスクシールが付属しています。塗る人、塗らない人、ちょっと塗りたい日、めっちゃ塗りたい日……いかなるワガママにも応えてくれるナイス仕様。

 白青黒の組み合わせはほとんどタイレルP34(塗装せずに組んでも楽しい”グロージング”でおなじみ、6輪のF1マシンね)。クレーン車の複雑で精緻な構造をカラフルなプラスチックで楽しめる懐の深いプラモデルは、あらゆるジャンル、あらゆる練度のモデラーに向けて届けられた素敵な贈り物だと思うのです。「自分の持っているツールやスキルに合わせて楽しんでください」というパッケージングが、初心者向けとか上級者向けといった垣根をぶち壊して必ずプラモデルの面白さを味わわせてくれるはずです。

からぱたのプロフィール

からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。

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