スピード組み立て、ギミック満点!/プラモで楽しむ「かにクレーン」のメカニクス。

▲大きいのが今回紹介するプラモですよ!

 以前カプセルトイのキットも紹介しましたが、今回はでっかいやつ。正真正銘、1/20のスケールモデルとして登場です。かにクレーン、みんな好きでしょう?今回はグッドスマイルカンパニーから提供いただいたテストショットをレビューしちゃいますよ!

 いきなりランナーです。この得も言われぬグリーンがいいし、パーツも大振りなのがゴツンゴツンとあって、スケールモデルでありながらキャラクターモデル的な風合いを感じますよね。これが精密な実物の再現のためにこまかく分かれていると組み立てが大変そうだけど、このキットはむしろ「パッと組んでその姿とギミックを楽しむプラモ」として設計されている感じがします。

 これって、「どっちがいい」とかじゃなくて、「サクッとカタチになるもの」「じっくりと細かいパーツを組み上げるもの」が選べることそのものがプラモの幸せなところだと思うんです。ただ組んでそのまま飾ったり、そのあとに塗ったりステッカーチューンしたり情景を作り込んだり、プラモはサーキットのどのへんをどんなスピードで走るかを自分で選べるのが楽しいんじゃよ。

 特徴的な脚(アウトリガー)は同じランナーが4枚入っています。接着材ナシで組むことができるので、道具としてはニッパーが1本あれば大丈夫。材質はPS(ポリスチレン)なので、普通のプラモデル用の接着材や塗料を使って合わせ目に対処したり塗って遊んだりもできますよ!

 足回りは左右がそれぞれ一発抜き。少しだけ汚し塗装をしたら絶対カッコいいよね。一発抜きだとディテールが微妙じゃない?と思うかもしれませんが、案外民生用の重機の履帯はゴムだったりして形状も単純。よーく現場を観察する楽しみも重機の美徳ですから、近所の工事現場で類似したメカを見てみましょう。素材の感じとか、使い込むうちにどんな表情になるか、日常の中で出会えるところがめっちゃいい。

 とりたてて込み入った組み立て工程がないため、ものすげースピード感でカタチになります。だからこそ、その先に余裕があるし、ちょっと手を入れたいなと思えるわけです。テカっとしたプラスチックの質感は実機のそれにも通ずるものがありますから、プラスチックの地を生かしながら味付けで個性が出せます。

 ブームの俯仰に合わせてシリンダーが連動します。ロボットプラモでおなじみの「シリンダーが動く!」というあの興奮が実在メカの機能として実装されてて、それが模型になっているとなんだか倒錯したリアリティを感じますよね。シリンダーに慣れ親しんだのは果たしてガンダムのおかげか、そのへんの工事現場だったか……。もちろん、伸縮ギミックも備えておりますよ!

 組み立て完了!カニのようなカタチになることよりも、むしろコンパクトになることがカニクレーンのすごいところ。この形態になれるからこそ狭い工事現場に持ち込んで、必要に応じて必要な幅でアウトリガーを展開できる。ゆえに柔軟な運用ができるのが特色なんですね。

 そしてこのプラモのいちばん偉いところは「糸が同梱されていること」だと思うんですよね……。クレーンだから、ワイヤーがなければ成立しない。自分でタコ糸を用意してくださいね〜っていうプラモは案外あるもんですが、家に都合よくタコ糸があるわけじゃないし、買ってきてから「タコ糸がないから組めないじゃん!」ってなると悲しい。イマドキのプラモにわざわざ最初からタコ糸が入ってるというのがむっちゃイイんですよ。おもてなし、完璧です。

▲脚、伸長!(胴体が宙に浮いた状態を再現するために、腹の下にスペーサーが入ります)

 1/20スケールなのでミニマムファクトリーと並べるとその大きさがよくわかります。ちなみに前田製作所のかにクレーンはスペックごとにいくつかのバリエーションが展開されていますが、今回プラモ化されたMC174CRMは人間が乗るのではなく、リモコンで制御するタイプ。狭いところで効率よく安全に動かすための工夫もこれを組み立てることで理解できちゃいます。

 マーキングシールも貼って情景展開!……いやー、楽しいですね。ここに写っているプラモのスケールはバラバラですが、並べて吊るして遊ぶだけで現場っぽい空気感がドバっと溢れ出てきます。カニクレーン、めちゃくちゃスピーディーにギミックフルなプラモが完成する興奮を味わえます。みなさん、間違いなく買いましょう。名作ですよ!

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からぱた

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』http://wivern.exblog.jp の中の人。