

BEEMAXのF1プラモを褒めちぎる理由は、組むのが楽しいことだけじゃない。もしあなたが「もっとスゴいもんを作りたい!」と思ったときにそれに応えてくれる「追いパーツ」も用意してくれていることにある。たとえばボディカウルの中に収まるモノコックは表面に大きさや配列の違うツブツブをこまかく彫刻することでCFRPの織目を感じさせる表現になっているのだが、実際は部位によって色も違えば質感も微妙に異なる。

こうした質感に迫ろうとすると、かつてはCFRPの模様が印刷された大判デカールを買ってきて、部位ごとの形状に合わせて自分で切り出しや貼り込みを頑張る必要があった。しかしBEEMAX製のキットにはおおむね「専用のディテールアップパーツセット」というものが発売されており、あらかじめパーツのカタチにビタリと合わせてあるデカールを説明書の言うとおりに貼っていけばいい。
BEEMAX製品に同梱されたデカールはいくら褒めても褒め足りないのだが、とにかく薄くて発色が良く、曲面にも馴染みやすく、さらに水に漬けた瞬間にスッと貼れる状態になるのが素晴らしい。さらに印刷面周囲の透明ニスも肉眼では見えないほど余白がないので仕上がりも美しい。

さらにエッチングパーツ(金属製の薄板を特殊な加工で型抜き/彫刻したもの)もセットされており、マシンのごく薄い部分や金属光沢を放っていてほしい部分をプラスチックや塗装の質感とは異なる表情にできる。簡単に言えば、「精密感が出る」というヤツだ。写真をよく見ると、ひとつひとのパーツが透明フイルムに繋ぎ止められているだけで、切り出しの必要はない。ピンセットでつまみ上げればすぐに貼れるようになっている。

大量の細かいエッチングパーツを見ると「すべて貼らなければいけないのか……」とひるんでしまうが、貼るのが楽しそうなところ、貼ると目立つところだけに絞って使うのがいい。たとえばブレーキディスクの露出したところなど、パーツの凹凸と全く同じ形状の金属板がカチリとはまり込むのがとてつもなく気持ちいい。

タイヤのグッドイヤーロゴを塗装するためのマスクや前後ウイングの翼端板など、塗装で仕上げることを前提としたサービスもあるが、正直言えばBEEMAXのMP4/2Bはシャーシが黒、ボディが白のプラスチックなのでディテールアップパーツに入っているデカールとエッチングパーツを奢っていくだけでもかなりリアルな見た目になる。塗装せずとも「プロ並み!」と思える仕上がりが手に入るのは素晴らしいことだし、これをフルに使いこなせればあっと驚く完成品になるだろう。

仕上がりのレベルを決めるのはあくまでもあなた。ふと傾斜の緩んだ場所で立ち止まってもいいし、天に突き上げるような頂きを目指してもいい。用意されたマテリアルをどこまで使うのかはスキルやテンションにもよるだろうが、その幅を大きく広げてくれるおもてなしとして、BEEMAXのディテールアップパーツセットは「全部入り」でユーザーをがっしりと抱きとめてくれる。